Image: 181130 同人VN『ボクはともだち。』(2015年)感想

那波は”ヒロイン”じゃないから主人公に好感を持っている、そう思っていた時期が私にもありました。。。


ビジュアルノベル『ボクはともだち。』 (はとのす式製作所 / 2015年) の感想。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。

商業ブランド『Qruppo』はもともと同人サークル『はとのす式製作所』から立ち上がったものらしい。実際、ぬきたしのファン向け感謝本はこのサークル名義で発売されている(そう言えば、10月に再版もあったというのに買い逃してしまった。)シナリオライターは間違いなく同じ人だとして、キャラデザは笑顔とか目つむり顔で特徴に似ている部分があるけど、CGで見るとかなり違う。塗りの違いだけ、というわけでもなさそう。

ボクはともだち。~I am not sweetheart.~ DL版 はとのす式製作所 - DLsite 同人 - R18

本作はDL siteにて税込3,348円で販売中。同人ソフトの中ではやや高めの価格設定か。一般にギャルゲーはCG枚数がコストに直結するというが、本作はヒロイン3人+αで17枚(差分含まず)。それほど多いわけでもない。まあ、シナリオの長さと全ヒロインボイス実装であることを考えれば、こんなもんかもしれない。

あらすじは作品紹介の通り。NTRは全くないので、そっちに目を付けた人は期待外れになる。

テンプレヒロイン達

作中では主人公が”友達”として手助けする”主人公”と”ヒロイン”が多数登場するが、顔CGや声がなくても端的に分かりやすい名前で面白かった。以下に挙げてみる。括弧内は会話から判明する名前。

  • 両親が海外出張中の少年(弘明)
    • カマトト生徒会長少女(さらら)
    • 運動以外に能のなさそうな少女(鈴蘭)
    • 飛び級しているらしい天才少女(理科)
    • 一身上の都合で義理の妹
    • 日本人形みたいな茶道部員少女
  • 無駄にスカした少年(ヒロ)
    • 媚び気味な妹系少女(ほのか)
  • 男友達の少ない少年(博義)
    • お姉さんぶった少女(京姉)
    • 見慣れた金髪ツインテ少女(杏里)
    • よくいる仕切りたがりの少女
  • なんだか鼻につく少年
    • 押しの弱そうな少女
    • 実年齢より幼く見える少女
    • 学校のアイドルとかいう少女
  • 冴えない無気力な少年
  • 中肉中背の少年

「よくいる仕切りたがりの少女」って、よくいる言っちゃってるし。

感想 (No.55)

シナリオ

全ルートをまともに読んだら、プレイ時間は15~30時間くらい。驚くべきことに、会話パートの7割くらいはマンガやアニメなどを元ネタにしたギャグで占めているんじゃないだろうか。とにかくネタが多い。多すぎる。そこまで詰め込まんでもよかったけど、まあそれが同人らしいと言えばらしい。

ストーリーはしっかりできている。最も親しい”主人公”である彰が時々取る不可解な言動・行動や、達也が”ヒロイン”であるはずの3人となぜ仲良くなれるのかは、真ルート(トゥルーエンド)の最後の最後で判明するのだけど、私の全く予期していない真実があった。本編を読み返してみれば、伏線や誘導・はったりがあったことに気づかされる。「これはこうだからこっちはこうだろう。」という先入観が、予想できたであろう答えを潰していたとはな。

(以下、若干のネタバレを含むため、未プレイの人は読まないことを推奨)

那波が彰や達也と昔の幼馴染みでありながら覚えられていなかったのは、それぞれ理由が異なるというのがミソである。達也が那波を覚えていなかったのは、那波エンドの説明の通り、那波が事故後に”ヒロイン”から外れていたから。しかし、彰が那波を覚えていなかったのは、彰と那波が出会っていた時期が事故の前だったから。今の彰は当時”ヒロイン”だった那波とは会えていないので、彰にとっては学園で那波と初対面ということになる。

隣子も彰と共謀していたとは考えにくい(隣子エンドで謎の存在に気づいたところまでは示唆されている。)そうなると、結局の所、真実は真ルート以外では誰も知らなかったことになる。

達也はどこかで”友達”を脱するストーリーになるだろうと思っていたけど、最後まで”友達”キャラクターを貫いたまま話の辻褄を合わせた点は良かった。でも真ルートは端から見れば達也も”主人公”に違いない。

グラフィック

画面解像度はHD (1280x720)。CG枚数はヒロイン3人+αで17枚(差分含めず)。立ち絵は上出来だけど、一枚絵と背景はクオリティにバラツキがある。同人レベルで見れば、総じてまあまあというところ。桜吹雪の演出は良かった。

服のデザインが良い。キャラクターデザインが少し地味なのは狙ってのことだろうか。

システム

システムはセーブスロット9個×10ページ + 任意で追加可能なセーブページとなっている点以外は、スキップ、音量調節といった必要最小限の機能のみ。まれに他と比べて明らかに音量の大きいボイスがあって、びっくりする。別ルートで重複する文章があるが、未読扱いなのはどうかと思った。 (2018/11/30完了)


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