モジュールの交換からドライバのインストールまでの手順を紹介。

何か改造してみようと思ったんだけど、
ノートPCのメモリ交換やHDD交換はありきたりでつまらないので、費用が掛からない無線LANモジュールの交換をしてみることに。

現行のノートPCの多くは PCI Express Mini Card の無線LANモジュールを搭載しており、交換自体は簡単。
しかしノートPC内蔵用CDドライブと同じく無線LANモジュールは組み込み向け製品であり、一般に出回るものではないため入手しづらいことがハードルを高くしている。

今回の交換対象はDELL Vostro ノート。
Vostroノートはメンテナンス性が高く、しかもサービスマニュアルにHDDの交換方法から無線LANモジュールの交換方法まで書いてある(それじゃこの記事は要らないような…)


○無線LANモジュールを確認・取り外す
~注意点~
・適当な金属を触って体内の静電気を逃しておくこと
・アンテナ線の取り外し、取り付けは慎重に


1. パソコンの電源を切ってDC電源、バッテリーを取り外す。
2. 無線LANモジュールを取り外せる状態にする。
(今回の交換対象の機種では、裏フタを取り外すだけだった。他の機種ではメイン基板が全部見えるようになるまで分解しなければならないこともある。)


これが無線LANモジュール。
アンテナは2本。802.11n規格では最大4本までのアンテナを使って同時接続(MIMO)できるが、今のところ4本のアンテナを持つ親機はない (3本もつ親機も多分ない)
当然、子機だけアンテナを4本持っていても親機が2本しか持っていなければ2本分の通信(最大300Mbps)しかできない。
モジュール中央の金属板はおそらく基板上を流れる信号を周囲のノイズから守る役割をする。

3. アンテナ線を取り外す
外しにくかったらラジオペンチ等を使うとよい。ただし力を入れすぎないように。

4. ラッチを押す もしくは ネジを取り外す
この機種の場合ネジ留めではなくラッチで留められているので、これを押す。
すると無線LANモジュールが斜めに浮くのでこれを取り外す。



取り出し後のソケットの様子。


○無線LANモジュールを入手
無線LANモジュールにはいろんなサイズのものがあるので、新しいモジュールを買うまでに今差さっているモジュールの大きさとアンテナ線の数を確認しておく。
種類は
PCI Mini Card
PCIe Mini Card
PCIe Half Mini Card などがある。

PCIe Half Mini Cardは縦(端子部を含まない)が100円玉、横が500円玉の直径くらいの大きさ。
PCIe Mini Cardはこれを縦に2倍にした大きさ。
PCIe Mini Cardが差さっていたスロットにPCIe Half Mini Cardを差すことはできても、カードまでにアンテナ線が届かないことがあるので注意。
アンテナ線の本数にも注意。


○無線LANモジュールを取り付ける
今回使用するモジュールは Intel Centrino Advanced-N 6200(製品情報)。
yoiparts.comで購入。価格は税込、送料込で2,980円。
海外で新品、送料別の平均価格が25ドルくらいなので、日本で他に取り扱う店が見当たらないことを考えると、価格はこんなところだろう。
元から搭載されていたモジュール(broadcom製のOEM品)と機能面ではほとんど変わらないのだが、アクセスポイントとの通信が断たれることがあり動作が不安定なので、これを交換することに。

で、届いた商品がこちら。

袋から取り出して100円玉と大きさ比べ。


そして本題の取り付け作業だが、手順は取り外しとは逆のことを逆の順序でやるだけ。

1. モジュールをソケットに斜めに差し込む。
2. ラッチで固定されるまでモジュールを上から押す。もしくはネジ止めする。
3. アンテナ線を取り付ける。
4. 裏フタなどを元通りに。


ここからはIntel製無線LANモジュールのドライバインストールや接続ツールの使い方などを紹介。

○ドライバのインストール(Windows)
Intelのサポートページを開き、ワイヤレス→インテルWiFi製品 から今使っている製品を選択。
使用中のOSを選択する(ただしWindows XP Home EditionやWindows XP Professionalの場合はWindows XPを選ぶ。)

ここではドライバだけをダウンロードするか、ドライバと接続ツールのセットをダウンロードするかを選べる。
ドライバだけをダウンロードした場合は接続ツールはWindows標準のものを使用することになる。
次に当てはまる場合はドライバのみをダウンロードするとよい。
・個人家庭でしか使わない
・難しい設定や余計な情報は要らない

次に当てはまる場合はセットをダウンロードする。
・使用中のOSがWindows XP (XP標準の接続ツールは再接続に時間がかかる。また勝手にアドホック接続を行うことがあり安全性に問題がある。)
・企業などで使うことがある
・接続設定(プロファイル)を他のパソコンで使い回ししたい
・接続の成功やエラーのログを参照、保存したい


○Ubuntu での利用
Linuxカーネルが 2.6.24 以降であれば既にカーネルにドライバが組み込まれているので即時利用可能。
これまで通りにnetwork-managerなどを利用して設定を行えばよい。
一応ドライバ情報はこちら →http://www.intellinuxwireless.org/



○関連
・無線LANアクセスポイントへの接続方法 [Win7,Ubuntu]
https://diarywind.com/blog/e/g13_111_lan_ap_win7.html


○更新履歴
10/10/06 接続ツールの使い方の説明を別記事に分けた
10/08/27 作成


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