ビジュアルノベル『その横顔を見つめてしまう』(あかべぇそふとつぅ/2006年)の感想。

今朝は2時間しか寝ていません。必死になって読んでいたら夜が明けていました。読み物で夜更かしは久々のことです。

本作品を選んだ理由は、VNDBでHeroine with Sexual Experienceタグが付いている中から読みやすそうなのを選んだだけのことだったり。まあ結果的にはその期待に添うものじゃなかったけど、話自体は楽しませてもらったのでまあまあ満足している。

感想 (No.34)

タイトルや表紙絵からして純愛系ぽいが、実体は人の心の人間くさい部分を強調して描いた人間ドラマもの。ストーリー後半からはヒロインの嫉妬、嘘、謀略、裏切りといった闇の部分が噴き出してくる。そのシーンは私にとっては最高にワクワクさせるも のだったけど、読み手によっては痛いところを突かれて目を背けたくなるかもしれない。そういう人には向いていない。元が同人作品だと知ってなんか納得。商業だとこういう話は方向性を予め紹介文や箱イラストで公言しておかないとリスクがありそうだし。

莉寿・未来ルートのシナリオは各人物の心情と駆け引きが巧妙かつ丁寧に作られていたことに比べると、美桜ルートは、まあストーリーは悪くないし納得はできるんだけどイマイチ。美桜は生い立ちや家庭の事情、自分とは真逆の純粋さを持つ主人公への引け目から、夜遊びを辞められない。しかし「恋は諦めた」とつぶやきながら、主人公の前では嘘をついていい顔を見せようとする。一方、主人公は美桜を信じて疑わない。美桜が夜遊びしているという噂を断固として否定し、家庭の事情にも首を突っ込んでいく。どこまでも手を差し伸べようとする姿勢は眩しい。主人公は美桜の両親に和解を懇願するが、それは人のためではなく自分のため(美桜が好きだから)であることを指摘されると、涙を流しながらもそれを認める。これに美桜は主人公の支えどころを見つけることになる。

主人公の行動が一貫していてポジティブに言えば単純なストーリーなんだけど、返して言えば「粗い」というか。主人公だけじゃなく莉寿や快音の扱いも若干なおざりだし。グッドエンディングではあるけど、過程に納得いかない。所詮、追加ルートなのかなあ。(2017/8/31完了、9/2執筆)


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