変圧器の流動帯電現象

近々、2種電気主任免状取得に向けた面談があるので、少しでも知識をつけようかと思って、この連休は変圧器の流動帯電現象について調べていた。

送配電設備の構成機器の中で特に変圧器の基礎技術は何十年も前から変わっていないが、その長い歴史の中で比較的最近(といっても1970年代頃)に話題になったのが「流動帯電現象」というもの。

500kVクラスの高電圧・大容量の変圧器は発熱量が凄まじく、絶縁油の自然循環ではとても冷却が追いつかない。絶縁油をポンプで強制循環させて別置きの冷却フィンに送り、フィンに取り付けられた、人間の背丈より大口径の冷却ファンを複数個使って冷却している。この油の流動によって油自体または巻線部にある絶縁物表面の電位が高くなり、油中沿面放電または油中空間放電を発生して絶縁破壊に至るというもの。

この問題に対しては変圧器内部の流路構造の改良、流速調整、絶縁油の品質改良やBTA(ベンゾトリアゾール)の添加によって対策が進んだが完全ではなく、経年劣化の影響や診断手法への研究はずっと続いている。

BTAとは聞き慣れない用語だったが、絶縁油試験のJIS規格 JIS C 2101 (電気絶縁油試験方法)にも「ベンゾトリアゾール定量」としてこれの油中濃度を測定する試験項目が存在する。

絶縁油の劣化診断については私も調べたことはあるが、こんな項目があることは知らなかった。まあ、強制冷却が必要になるような大容量変圧器に馴染みがないから仕方ないけど、勉強になった。

参考文献

JR釜石駅を3分早く発車、1人乗り遅れ乗客20人に影響 - 毎日新聞

JR釜石駅を3分早く発車、1人乗り遅れ乗客20人に影響「お客様にご迷惑をおかけした」

去年のLA旅行を思い出した。

ロサンゼルス地下鉄のある駅に予定時間ギリギリの2分前に到着して「何とか間に合ったか」と思ったら次の列車が13分後の表示になっていて「なんで!?」ってGoogle Mapを確認したら「定刻より3分早く通過」って表示されていた。当然ながらお詫びの放送なんてないし、そもそも駅員なんていないし、その前後駅でも「定刻より○分早く通過」って出ていたから運転手の偶然な時刻間違いでもないだろう。

その後に空港行きシャトルバスの乗り継ぎがあったけど、1~2本あとの便でも余裕で間に合う行程だったから問題はなかった。


後日、日本のとあるオフィスビルにて、玄関の自動ドアが故障で電動では動かないから朝7時半に警備員が手動で開けていたんだけど、ある日、別の対応と重なって1分遅れで開けに行ったら開館を待っていたサラリーマンに「遅い!」と怒られた、という話を聞いたことも思い出した。

私はどっちかと言えば時間に関してはせっかちだから、どっちの気持ちも分かるけどな。

シスター室とは

30年くらい前の古い商業施設の建築図面を見ていたら、バックヤードに「シスター室」という部屋を見つけたが、これは何だろう。礼拝堂?そんなまさか。宗教的な意味合いは無さそう。

デパート業界では、勤続年数が数年以上のベテラン店員が同僚を指導したり相談に乗ったりする。この教育係がシスターと呼ばれる。役職上は平社員と差異はない。強いて言えば、先輩後輩という上下関係が生まれるかもしれないが、それは職場の人間関係によりけりか。

今でも「ブラザーシスター制度」として知られているようだけど、この名称や制度は60年以上前から存在した。

百貨店のシスター制度とは(『婦人と年少者』1962年2月号29頁より)

昨年11月の産経新聞に「BG十年選手―シスター制度」という見出しで紹介された記事は、最近の百貨店の女子店員の中で、勤続年数の比較的長い、優秀な人達の登用という点で注目された。

西武デパートでは、ショッピングシスター制度を設け、まず入社3年以上10年くらいのベテランの中から過去3回の人事考課が優秀で、リーダーシップを身につけている人達を各売場の課長が推薦し、人事課がこの中から選考しシスターにする。西武デパートでは現在約70名のシスターがいるが、一般の女店員より上質のスーツを着せられ、胸にSの字のバッジをつけている。Sはスマイル・スピード・シンセリティーと、シスターの頭文字Sをとったものである。

彼女たちは研修会を週に1回開き、販売上の工夫や、後輩の指導の仕方、アフターサービスのやり方などを話し合い、商品知識の講習や英会話のレッスンなども受けている。しかし、シスター手当というようなものはなく、職能給が一般の店員より七百円ないし千円程度多いだけである。

別に命令権はないが、他の人たちの模範になる人であるから、自然、同僚たちから相談されることが多い。また、仕入れ上の意見を聞かれたり、お客の相談に乗ったりする。そのほか、年寄りのお客さんを駅まで送ったり、お客が買い物をしている間、子どものお守りをしたりしてサービスすることもある。

この制度は米国のメーシー百貨店のレッドスターにならったもので、西武デパートでは発足一年であるが、売上は上昇する一方だし、お客からも評判が良いので、各売場に一人ずつおき、全店で百人くらいに拡げる予定とのことである。なかなか責任のあるポストだけに、この程度の手当ではと敬遠する向きもあるそうだが、これを足がかりに専門的な実力をつけ、係長・課長などのポストへ女性が進出できるようにもっていけば、この制度も希望が持てるものと言えよう。

労働環境の改善ポイントを欧米から学ぶ姿勢は、60年前から変わらないな。

ラジカセ『ZILBA'P TV』整備 [8]テープのベルト張り調整

Image: ラジカセ『ZILBA'P TV』整備 [8]テープのベルト張り調整

ステレオラジカセ『ZILBA’P TV』(Sony CFS-V1、1979年発売)を整備。

テープの送り速度が安定しないのでベルトの張りを調整した。ファンのVベルトは調整したことあるけど、さすがにこれはモーターを動かして張り調整できるというものではないな。電子部品店ボントンで合いそうなものがないか探してみたけどなかった。半年前に行ったときより取りそろえが減った気がする。

ベルトを切って短くして、切断面を向き合わせて定規で真っ直ぐに整えたらセロテープで仮止めして、アロンアルファで接着する。固まったら240番くらいの紙やすりで接合部を滑らかにする。長さは半折り142mmを136mmまで短くした。

そんなんで使い物になるのかと不安だったが、意外に行ける。接着部分だけは固くなってゴム本来の柔軟性が失われるので、理想的なゴムベルトではないが、接合面の向きが間違っていなければ、接着剤のでこぼこをヤスリで平坦に仕上げてスムーズに回るようになる。

まあしかし、フロッピーディスクドライブもそうだったが、アナログな機械というのは良くも悪くも手間がかかるな。

「ポケモンマスター目指して30年」[AI絵]

Image: 「ポケモンマスター目指して30年」[AI絵]

r/midjourney

AIに絵を描かせてみるシリーズ好き。

最近見て面白かったのは、AIに”nerd”を描かせると必ず眼鏡を掛けた男が出てくるというヤツ。そう言えば、絵文字のnerd「🤓」も眼鏡を掛けていて、イギリスの少年が「これは偏見だ」と訴えたというニュースがあったな。

「悲しくて、悔しい気持ちになる」10歳の少年がApple社に「黒ぶちメガネ」絵文字のデザイン変更を要求した理由(コスモポリタン) - Yahoo!ニュース

踊れ!ランバダ (ネクライトーキー / 2023)

最近、日本のバンド音楽を色々聴き始めて、その中でもZIP-FMで聞いたネクライトーキーの「ランバダ・ワンダラン」が気に入って、シングルを買ってみたらこれまた4曲とも良くて、彼らのアルバムも全部買っちゃった。

Image: 踊れ!ランバダ - EP

どれも歌詞と音作りが独創的でいいね。コードやメロディーの一つ一つは正統派の王道なんだけど、ギターやシンセの音作りと組み合わせが多彩で自由奔放さを感じさせるところがいい。

こっちは昨日発売されたばかりのアルバム TORCH から「浪漫てっくもんすたあ」のMV。

Image: 浪漫てっくもんすたあ

240221 復帰ラッシュ [Vtuber]

最近、日本はもう春を感じる暖かさですが、私がサブスクしているライバーが次々に復帰してきて、これ以上虚無を感じずに済む。

Finanaは自枠では2週間ぶりの配信。夜型生活で5ポンド(約2kg)体重が減ったと語っていたので相当落ち込んでいたみたいだけど、歌動画の製作や日本旅行の予定などウキウキに話しているところを見るに、もう引きずっていないように見える。

Rosemi様はJSTで明日の朝(現地時間で今夜)にGeoguessr配信で復帰予定?こっちはずっと音沙汰なかったので心配。

今日はEnnaのNierカラオケ配信があって、同時接続は9,000人くらいだった。Unarchive English Karaokeでも7,000人超えたら多い方だ。NijiENのファンベースが縮小したようには感じられない。

あと他箱だけど、idol-ENのYukoが2ヶ月ぶりの配信で復帰を発表。そういえば、idol初グッズのYukoアクキーはいつ届くんだろう。年内に発送する予定のメールが来てから音沙汰ないな。

ラジカセ『ZILBA'P TV』整備 [7]ラインアンプのゲイン調整

Image: ラジカセ『ZILBA'P TV』整備 [7]ラインアンプのゲイン調整

ステレオラジカセ『ZILBA’P TV』(Sony CFS-V1、1979年発売)を整備。

ラジオの音やそれを録音したテープの音が割れている問題。

ZILBA’Pの回路図をじっくり眺めていた。まだ注文したAC/DCアダプターは届いていないが、オペアンプの特性をよく考えてみれば、電源電圧を調整したところで音割れは改善しそうにない。改善するポイントがあるとすれば、FMステレオ分離IC (HA11227) のゲインを変えてラジオだけの音量を下げるか、ラインアンプIC (BA328) のゲインを変えて全体の音量を下げてみるか。

HA11227の出力ゲインを変えるにはPin 4とPin 5に接続している抵抗を小さくすればいい。既存の抵抗器に並列に抵抗器を追加すれば簡単な改造で済む。

Image: HA11227

BA328の出力ゲインを変えるにはPin 2とPin7からグラウンドとの間にある抵抗(下の図ではRE)を大きくすればいい。既存の抵抗器を外す必要があるのでやや面倒くさい。

Image: BA328

テープ再生の音に対してラジオの音が相対的に大きいのかどうか分からない。今回はBA328(ラインアンプ)のゲインを変えることにした。330Ωを470Ωに変更。下の写真では、表側(実装面)についている既存の抵抗器を外して、裏側(パターン面)に新しい抵抗器を付けた。

Image: Sony CFS-V1

常時点灯していた+3ランプはたまにチカチカ光る程度になった。ラジオ録音の音割れは解消されたような気がする。

ラジカセ『ZILBA'P TV』整備 [6]録再ヘッド垂直(アジマス)調整

ステレオラジカセ『ZILBA’P TV』(Sony CFS-V1、1979年発売)を修理。

翌日配送で注文したAD/DCアダプターがおととい届く予定だったんだけど、理由は不明ながら未だ配送中のまま(22日までは返金申請できない)なので、手持ち無沙汰になった時間で、リスニングではなくちゃんとオシロスコープを使ってアジマス調整することにした。

アジマス調整とは何たるか。次は『テープレコーダ技術読本』(日本放送出版協会、1963年)133頁より。

録音再生に使われるヘッドのギャップはテープの走行方向に対して垂直であることが必要です。ギャップが傾いていると、別図に示すように出力が低下します。傾き角が大きいほど出力の低下はひどくなり、またテープ上の録音波長が短いほど影響が大きく、すなわちテープ速度が遅く、周波数が高いほど損失が大きいということです。

Image: Sony CFS-V8 Service Manual

ソニーのZILBA’P New Age サービスマニュアル(1979年)では「録再ヘッド垂直調整」として次のような手順が載っている。

  1. LINE OUTのL-Ch, R-Chそれぞれにに47kΩの負荷抵抗を接続し、そこにVTVMを並列に繋ぎ、調整用標準テープ P-4-A81(6.3kHz, -10dB)を再生する。
    Image: Sony CFS-V8 Service Manual
  2. ヘッド左の固定ネジを回して出力がピークになる点を確認する。L-Ch, R-Chのピークが一致しないときは各々のピークより0.5dB以内で出力が一致する点にねじを調整する。
    Image: Sony CFS-V8 Service Manual
  3. VTVMを外してL-Ch, R-Chそれぞれにオシロスコープの水平・垂直入力を並列に繋ぎ、調整用標準テープ P-4-A81(6.3kHz, -10dB)を再生する。オシロスコープのリサージュ波形が右上がりの形になることを確認する。
    Image: Sony CFS-V8 Service Manual

ここに出てくるVTVMというのは真空管電圧計 (Vacuum Tube Voltmeter, バルボル) というものらしい。私は電子工学に疎いので聞いたことなかったのだが、調べてみた感じ、入力信号を増幅して計測する高抵抗電圧計で、まだデジタル電圧計がなかった時代の代物だ。今はミリボルトが測れるようなちょっと精度が高いデジタルテスターで代用できると思う。RMSかどうかで違いが出てくるかもしれないが。

私みたいな素人が口を出してバカげているかもしれないが、他の人のアジマス調整の記事を調べていると、オシロスコープに表示されるリサージュ図形を直線にする(= 位相を揃える)ことにこだわっている例を見かける。しかし、上の手順を踏まえると、この機種の場合は左右のバランスを揃えることが最優先事項で、位相はある程度揃っていれば問題ないと解釈できる。この方法で調整するには同じレベルのパターン波が最低でも20秒か30秒か記録されたテープが必要になり、一般的な楽曲のテープでは難しい。自分で録音して作ることはできるが、結局そのために調整済みのカセットデッキが必要になる。

今回はモノラル録音の楽曲テープを使用した。オシロスコープは2年前に15000円で買ったHanmatek HO52 50 MHz 2ch

位相がずれている場合。右は2chを重ねて表示している。左はX-YモードをONにした時。5kHz基準で位相が90度近くずれている。

Image: Sony CFS-V1 Image: Sony CFS-V1

位相が合うように調整した後。

Image: Sony CFS-V1 Image: Sony CFS-V1

左右のレベルが微妙に違うので、X-Yグラフも完全な斜め45度より少しずれている。若干だ円になるのはテープの特性による。理想は斜め45度一直線で、実際、ラジオのモノラル出力にするとちゃんと一直線になる。私の手持ちのツールは貧弱だし、この機種は高級機や業務用モデルでもないので、調整の精度にはある程度妥協するしかない。

240215 雨降って地まだ固まらない [Niji EN]

たった1~2日音沙汰なかっただけで「Scarleは運営に封殺されたんじゃないか(意訳)」とかささやかれたものの、いつもの感じで戻ってきましたね。普段より視聴者が2~3倍くらいいた気がするが、配信はいつも通りの感じだった。次のプロジェクトとか、新衣装の話もちょっと出てたかな?それまでRP しまくっていたヘイターがだんまりになってて笑う。


コミュニティのスタンスは概ね4つに分かれているように感じる。

  • Doki(元Selen)の支持者かどうかは分からないが、Niji ENのあらゆる所にヘイトを向けまくる人。
  • Niji ENに推しがいなくて将来性も見いだせず懲りた(静かにファンを辞めた)人。
  • えにからのマネジメントには賛同できないが、各ライバーまたは自分の推しを引き続き応援する人(願わくばNiji ENから離れて欲しいと考える人も含む)。私もこれ。
  • 今まで通りNiji ENを全面的に支持する人。

ヘイトをぶつけるのは論外。ヘイトをぶつけたところでお互いが疲弊するだけだし、むしろ過度なヘイトは業界全体としてマイナスイメージを加速させるので、自身の立場も悪くなっていることに気付いていない。

私はNiji ENを離れて欲しいとまでは考えていないが、もし推しが離れる選択をしたなら引き留めずに追うだけ。メンバー同士の交流を見るのは好きだから、そんなことが起きないよう祈っているが。それと未だに解せないのはあの15分の配信。しかし、合点いったこともあって、EliraとSelenって初期の頃以外ほとんど絡みがないんだよな。にじフェス来日の時も絡んだ話聞いていないし、3Dお披露目でも絡んでいないし。とにかくLazuLightファンとしては、ただ元気に復帰してくれることを祈る。

阿南継電器

中央監視設備の展開接続図を見ていたら機器リストに「アナン継電器」というのがあって、「なんだ?阿南ゆかりの何かか?」と思ってググってみたけど何にも出てこなかった。

それと同義と思われる言葉は見つけた。「アナンシエータ」(annunciator)と呼ぶらしい。複数の警報信号を集約してオペレーターに知らせる装置のこと。語句の由来は宗教用語のannunciationと関係あるだろうか。

一口に警報を知らせる装置と言っても、動作を突き詰めると奥が深い。

警報入力信号は瞬時(パルス)か、継続か。警報信号を受けたらベルやブザーを鳴らして該当のランプを点灯させ、オペレーターが音響停止ボタンを押したらベルやブザーは止めてランプの点灯は継続。リセットボタンを押したら復帰した警報のランプを消灯。

私個人的にはこういった装置は故障表示器という名称が聞き慣れている。

表示器 故障表示器 TFUシリーズ | 向陽電気株式会社

今はこれくらいのことはPLCで簡単に実現できるが、マイクロコンピューターが普及していなかった時代にはアナシエーターに特化したリレー装置がよく使われた。プラントや電力設備では従来のリレー装置はまだ需要がある。産業用PLCは高価で電源ユニットなどの保守にも費用がかかる。PLCが廃番になったら新製品に対応する仕様変更のために設計費やプログラムの作成費がかかるし。こういうAC/DC100Vで使える汎用品の方が経済的ではある。