基板写真館:NEC PC-9821Xp
日本電気株式会社 PC-9821Xpパーソナルコンピューター(1994年発売)の基板写真集です。
本体内部
メインフレーム機では1980年代には既に空冷のみならず水冷クーラーが使われていましたが、PCの世界でCPUにヒートシンクが付くようになったのはこの頃からです。i486以前は他のチップと同じように丸裸で、ケースファンや電源ユニットからの強制換気で冷却していました。この機種でもCPUは本体前面に配置され、外からの給気がヒートシンクにあたるよう設計されています。Pentiumが登場してからはCPU専用の冷却ファン(CPUクーラー)が使われるようになりました。
メインボード 表
基板識別記号はG8RNL。NEC自社製カスタムチップが多いのが印象的です。72pin SIMMソケットが3つ。その隣はPCIスロットではなくセカンドキャッシュを取り付けるスロット。その隣の黒いスロットが98拡張スロットの通称「バス籠」を取り付けるスロット。CPUソケットはIntelが策定したSocket 6というものですが、既にSocket 3でことは足りていたいのであまり使われず、海外では採用例はないと言われていたくらいのレアものです。
Vision864(86C864) グラフィックアクセラレーター
メインボード 裏
裏面は最近のPCのマザーボードと変わり映えしませんね。基板の材質は、表面のざらつきが格子状で、パターン空白部分はPC-9801ES/DXのものよりも深緑色をしています。厚くてかなり硬そうな印象です。
PC-9821XS-B01 セカンドキャッシュボード
128KBセカンドキャッシュメモリを搭載したボード。下位モデルのPC-9821Xsではオプション。P/Nは136-550412-E-05。基板識別記号はG8RRF。これを外した状態でもPCは正常に動作しますが、メモリカウントや各動作が目に見えて遅くなります(実用上支障をきたすレベルではない)。i386以降Pentium以前のCPUを搭載するPCでは、マザーボードなどCPU外部にキャッシュメモリーを搭載する場合がありました。PentiumⅡ以降はアクセススピードの都合でCPUに統合されるようになりました。
PC-9821XS-B01 セカンドキャッシュボード 裏面
Specification (PC-9821Xp/C8W)
- CPU: Socket6 IntelDX4 100MHz/25MHz
- Memory: 2nd cache 128KB, RAM 5.6MB, VRAM 2MB
- Disk: 1 x 1.44MB 3.5" floppy drive, 1 x 340MB hard drive, 1 x CD-ROM(2x)
- Display: 640x400x256c ,640x480x1677Mc, 1024x768x256c, 1280x1024x256c, S3 Vision864
- Sound: Beep, WSS-PCM (Crystal Semiconductor CS4231)
- I/O: Printer, RS-232C, RGB monitor, Keyboard, Mouse, Sound, 3 x Expansion slots
- OS: MS-DOS 5.0A-H, Windows 3.1, Optional: Windows NT 3.1, PC-UX, OS/2, Disk-BASIC