Image: 170924 モーターの軸出力(kW)と定格電流(A)

三相交流、スターデルタ始動、線電流、線間電圧、電力、効率などと理論で知っていても、実践で使えなければしょうもないことを痛感。

空調機点検のチェックシートを作るために送風機の定格出力から電流の基準値を計算していたのだが、これが実測値と合わない箇所が複数あって困っていた。そのうちの一つ、三相210Vの電源、22kW出力のモーターでは1相90A近くの値が出ていた。クランプメーターで現地の分電盤回路を測ろうとしたのだが、ブレーカーの先で2つのリレースイッチに渡りで接続してあり、そこから3本x2束のケーブルが外に出ている。どうもスターデルタ始動の回路らしいが、電験の勉強で概要は知っていても実際の回路は初めて見たので知識は役に立たず。電流計のCTはリレーの前に挟んであった。とりあえずリレーの前後の1相を計測してみると、リレー前は盤のメーターと同じ90Aほど。リレーの後は50Aほどだった。

スターデルタ始動の配線については次のサイトが参考になった。

スターデルタについて モータ始動器専門メーカー 電光工業株式会社

リレー前は線電流Il、リレー後はデルタ結線の相電流Ipなので、理論上はリレー前の電流$$I_l = \sqrt{ 3 }I_p$$となり、この関係は計測値におおむね合致している。

電流値が単純な計算で定格出力と合わない理由は、モーターの仕様表にある出力のkW表記は軸出力であって、$$P = \sqrt{ 3 } V \times I \text{ (Vは線間電圧、Iは線電流)}$$のPに当てはめて求めた電流はモーターの効率を考慮していない。電源部で測った電流値はこれよりも大きくなるらしい。ただ、それを考慮してもなお電流値は10A以上高いので、他にも理論計算が間違っているのか。あるいは本当にモーターが過負荷の状態にあるのか。日曜日なので技術者不在で、人に聞こうにも聞けず。この点はいずれ解決しておきたい。

とりあえず仕様の謎は解けたが、数百あるモーターの全部の銘板を確認して効率を調べるのは気が遠くなりそうだ。と思っていたが、JIS C 4213対応品ならこの規格に載っている表を参照すればいいみたい。まあ細かい値を出す必要はないので、何kw以上ならこうと一括で数字を決めておけば良いか。


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