Image: 180909 台風21号の影響 / エレベーターの長周期震動管制と誘導対応

今週は消防設備点検と受水槽清掃が重なり、もともと休日返上で忙しくなる予定ではあったが、そこに台風と地震が重なるとは思わなかった。出張帰りの東海道新幹線が途中の駅で停まり、運転再開まで9時間ほど待たされたが、そんな苦労も災害対応を迫られた人々に比べれば、些細なものだった。

JR運行状況の更新の遅さ

東海道新幹線は9月4日の14時頃に運転見合わせになったとのことだが、私の列車は12時半から岐阜羽島―京都間の強風を理由に三河安城駅に停車していた。しかしJR東海ウェブサイト上の運行状況は更新されず、本数削減や遅延の可能性はあるが運行するというものだった。13時を過ぎてようやく新幹線の運転見合わせ中とのアナウンスが入った。それからさらに1時間後の14時を過ぎた頃、やっとJR東海の運行状況ページに運転見合わせと掲載された。

15時頃、京都―米原間にて飛来物により電線が切れて停電しているが、強風のため復旧作業を見合わせているとのアナウンスが入る。この情報も運行状況ページに反映されたのは30分以上あとだった。

17時前、名古屋―新大阪間にて架線上に飛来物が多数確認されたとのアナウンスが入る。ツイッターでは同日中の運行再開は無理だという見方が濃厚になる。通過線で停車していた列車に階段が掛けられ、乗客が缶詰状態から解放される。

19時頃、通過線で停車していた列車が動き出す。

21時頃、私が乗車していた列車も動き始め、時速100kmほどで走行して、21時40分頃に名古屋駅に到着。2時間以上遅延したため特急料金が全額払い戻しになった。地下鉄は地上に出る区間以外は平常通り運行していたので、そこからは困らなかった。

運行状況ページは更新が遅く、詳しい状況も分からない。最も情報が早いのはツイッターだが、ニュースサイトのリツイート、デマや憶測の情報、他の地域の情報が混ざっているので、この中から必要な情報を集めていき、どの情報が確かなのか判断しなければいけない。

エレベーターの長周期震動管制と誘導対応

台風21号の強風により、管理物件では倒木が2本と屋根のプレートが1枚剥がれて落下した。一部のエレベーターは長周期震動管制が動作して一時的または継続的に停止した。大雨で機械室の給気ダクトから少量の漏水はあったが、影響が大きくなりやすい停電や浸水の被害はなかった。

最近の高層エレベーターには通常の地震管制に加えて長周期地震動の管制運転システムが備わっている。エレベーター機械室に加速度センサーと長周期センサーがあり、加速度センサーで一定以上の揺れ(震度4程度)を検知すると地震管制運転になる。また、長周期センサーで揺れの周期と大きさを計測して建物の固有周期と共振すると予測されると、その揺れ幅に応じた長周期振動管制運転になる。

長周期センサー地震時管制運転システム:地震対策:災害対策:株式会社日立ビルシステム

エレベーターには地震や長周期振動以外にも停電や火災の管制運転があるが、いずれも最寄り階で乗客を降ろして一度休止する点で共通する。実際の運用では降りた乗客をどう案内するかが問題になった。乗客が初めて施設を訪れた人の場合、エレベーターから降ろされたフロアが電気の点いていない無人階だと、そこからどう移動したらいいか分からない。火災対応と同じく、誘導灯を目印にした避難経路の動線確保と避難誘導が必要になろう。当日はこの問題に気づいて臨機応変に対応できたようだが、今後夜間に発生したときに誰でも対応できるよう、マニュアルを作る必要があると思った。

Image: 長周期地震感知器


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