Image: 富士通FMVCE22DをWin98マシンにする [No.2]

FMVCE22DのためのWindows 98(Second Edition)環境構築。

○Win98SEにおけるデバイスドライバーの認識状況

デバイス デバイス名 ドライバの入手先
CPU AMD Athlon XP 2200+ ドライバ不要
チップセット(AGP) SiS Accelerated Graphics Port CHIPSET_XP32PW2K_W98.ZIP
グラフィック SiS 740 uvga3_373.zip
IDEインターフェース SiS 5513 Dual PCI IDE Controller OS標準ドライバで駆動
SSD GENERIC IDE DISK TYPE47 ドライバ不要
DVD TOSHIBA DVD-ROM SD-R5002 ドライバ不要
サウンド SigmaTel C-Major Audio (STAC9721) 下記参照
モデム ? ?
有線LAN Realtek RTL8139/810x Family Fast Ethernet ?
USB1.1 SiS 7001 PCI to USB Open Host Controller OS標準ドライバで駆動
USB2.0 SiS 7002 USB 2.0 Enhanced Host Controller sisusb2_98me.zip
PCカードスロット Ricoh RL5C476 CardBus Controller OS標準ドライバで駆動
IEEE1394 PCI OHCI Compliant IEEE 1394 Host Controller OS標準ドライバで駆動
PS/2キーボード 106 日本語 (A01) キーボード (Ctrl+英数) OS標準ドライバで駆動
USBマウス 標準 PS/2 ポート マウス OS標準ドライバで駆動
USBマウス HID互換マウス OS標準ドライバで駆動

有線LANのドライバは探すのが面倒だったので不明としました。私の場合は無線LANをPCカード(IODATA WN-G54/CBL)で、サウンド出力はサウンドカード(AOpen Cobra)を使っています。CE22DのオンボードサウンドではCD-DA再生ができません。
USBマウスはWindowsインストール直後ではPS/2ポートマウスとして認識されます。その後USBコントローラーが認識されるとUSBマウスはHID互換マウスとして認識されます。HID互換マウスとして認識された後もデバイスマネージャーにPS/2ポートマウスが残っている場合は、それを削除します。

ドライバーインストール後。
Image: デバイスマネージャ

CPU-Z
Image: CPU-Z

○各種ベンチマーク

3DMark 99 Max : Score 6474

3DMark2001SE : Score 1119

やはり3Dグラフィック性能は当時の水準として考えてもかなり悪いです。この機種で多少でも凝った3Dゲームをプレイするなら、PCI接続のグラフィックカードを載せた方がいいでしょう。

HDBench Ver.3.40 beta 6

 ★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name Fujitsu FMVCE22D
Processor AMD Athlon 1792.37MHz[AuthenticAMD family 6 model 8 step 1]
Cache L1_D:[64K] L1_I:[64K] L2:[256K]
Name String AMD Athlon(tm) XP 2200+
VideoCard SiS 740
Resolution 1024x768 (32Bit color)
Memory 522,464 KByte
OS Windows 98 4.10 (Build: 2222) A
Date 2013/05/03 12:35

HDC = SiS 5513 Dual PCI IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (デュアル FIFO)

C = GENERIC IDE DISK TYPE47
D = TOSHIBA DVD-ROM SD-R5002 Rev 1F33
E = Sony Storage Media Rev 0100

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
46624 72366 87636 16372 24821 26510 37

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
 23172 24387 9050 83 75739 54935 72572 44483 C:\100MB

CrystalDiskMark 2.2 : Sequential Read 75MB/s

○3Dゲーム

普通のWin9xアプリケーションを動かすなら仮想マシンで十分。せっかく実機で動かしているのだから、仮想マシンでは動作しないアプリケーションを動かしてみよう。

ニード・フォー・スピードII (日本語版)
Image: Need for speed II
DirectX3対応というかなり初期のD3Dゲーム。さすがにこれはさくさく動きます。

スマッシュセット
Image: スマッシュセット
フリーのパズルゲーム。疑似3Dながらやや重いゲームですが、処理落ちはなく快適にプレイできます。

CLANNADA 幻想少女
Image: 幻想少女
2D縦スクロールシューティング。動作は快適。ただ、ゲームBGMがやたら音質が悪いのはゲームの仕様なのかドライバのせいなのか。(元データをメディアプレーヤーで再生すると音質は良好なのに、ゲームだと音質が悪い。)

Windows Media Player 視覚エフェクト パワー アトランダム
Image: Windows Media Player 9
仮想マシンでは視覚エフェクトですらまともに映りませんが、こちらは良好。

HELLSINKER
Image: HELLSINKER
縦スクロールシューティング。最軽量+ワイヤフレームに設定しても常に処理落ちします。GeForce 4Ti 4600ですら、標準設定でも場面によっては処理落ちするので、そりゃそうなるわと納得するしかないのですが。(上のスクリーンショット画像はSiS740。下のスクリーンショット画像はGeForce 4Ti 4600。)
Image: HELLSINKER
わざわざWindows 98で動かすソフトではありませんが、一応動いたという報告をば。

SiS740では3Dゲームやエフェクトを多用するゲームは厳しいでしょう。

○より実用的な環境に仕上げるには

  • Windows Updateの修正プログラムを適用したい
    → 現在Windows 98からはWindows Updateにはアクセスできない模様。修正プログラムをMSのサーバーから直接ダウンロードするしかない。ダウンロードリンクは過去記事を参照。
  • ネットサーフィンしたい
    → IE5.5だとほとんどのサイトが正しく表示できない。OperaのWin98対応最終バージョン(Ver.8.53)でほとんどの標準的なWebページは表示できるが、最新のCSSサポートやFlashを必要とするサイトは表示できない。必ずファイアーウォールソフトを入れておく。
  • 動画・音楽ファイルを再生したい
    → 過去の記事を参照。
  • USB-HDD(USBメモリ)を使いたい。
    → 有志が作成しているWindows 98 USB Mass Storage Driver(リンク切れ) を使う。

○感想

いろいろ苦労しながらも、動かしたいと思っていたソフト(主にWindows 95時代のゲーム)は問題なく動作したので、おおむね満足しています。Windowsインストール直後は起動時にWindows保護エラーが頻発していましたが、メモリの設定を調整したら問題なく起動するようになりました。今のところは安定して動作しています。マザーボードや電源のコンデンサー周りを見たところでは問題はなさそうなので、しばらくはWin98機として使っていけそうです。


○追記;内蔵サウンドデバイス(Sigmatel AC97)のデバイスドライバーを入れる

もしリカバリディスクがない中古のメーカー製PCを入手したとして、ドライバーの入手が最も難しいのが内蔵サウンド機能のドライバーでしょう。グラフィック、チップセット、有線LANはネット上に出回っている汎用のものが使える場合が多いのですが、サウンドドライバーについては合致するものを見つけるのは困難です。

この機種についてもWindows XP専用モデルなので、Windows 98でサウンド機能を使うのは無理だろうと思っていましたが、リカバリディスクに収録されているWindows XP用のドライバーがそのまま使えることが判明しました。

手順はきわめて簡単。付属のリカバリディスクのうちのアプリケーションディスク1(DVD)[CA40701-A838]にあるSigsisフォルダーを開いてsetup.exeを実行するだけです。

うまくインストールできない場合はデバイスマネージャーから手動でインストールしてもいいでしょう。ドライバの場所は「\SIGSIS\WDM\SIS961\STAC97.INF」を参照します。

なお、ドライバーモデルはWDMのみ対応のため、Windows 98無印やSP1ではドライバーとして認識できません。また、富士通のサポートサイトに上がっているアップデート「SigmaTel C-Major Audio for SiS Windows XP Audio Driver」はWindows 98には対応していないようです。

所詮オンボードサウンドといったところで、ノイズは少ないものの音質はいまいち。音に少しでもこだわるつもりならSound BlasterやYMF7xx系のサウンドカードを増設することをおすすめします。


旧ブログでのコメント

AUTHOR: 通りすがり
URL:
DATE: 2013/09/20 21:50:14
Unknown
 ノートPCにWindows98SEを入れてゲームがしたいと思っていました。ノートPCを選んでもいないのですが、この記事は参考になりました。
時々寄らせてもらいます。

AUTHOR: akm
URL:
DATE: 2013/09/23 01:22:14
コメントありがとうございます
今どき誰がこんな記事を読むんだろうと思っていましたが、
こうして反応してもらえると素直に嬉しいです。
何かわからない点があれば気軽に質問していただければ、
わかる範囲で答えますよ。
きっかけがなければWin98について書く機会はないので、今後書く記事にはあまり期待しないで下さい。


※コメント欄が表示されない場合はdisqusについてJavascriptが有効であることを確認して下さい。コメントはスパム防止フィルターによる承認制のため、投稿してもすぐに反映されない場合があります。

管理人 : Akamaki (akm)

は、PCとVTuberに夢中になっている電気技術者です。

私はレトロコンピューティングの愛好家ですが、そのようなリグはもう収集していません。

私の活動はトップページで見ることができます。読んでくれてありがとう!