Handbrake Anamorphic Encodingによるファイルサイズ削減と画質の比較
動画エンコード Handbrake –loose-anamorphスイッチ(Anamorphic Encoding)によるファイルサイズ削減と画質の比較。
地デジの映像はアスペクト比が16:9であっても1440x1080px(4:3)で配信されているが、これは再生側で映像が16:9に引き延ばされている。これをHandbrakeで標準設定で変換すると、例えば720ラインに設定すれば1280x720px(16:9)に変換され、ピクセル縦横比が1:1になるようになっている。
–loose-anamorphスイッチを指定するとオリジナルのビデオストリームのアスペクト比を維持したままサイズを変える。例えば720ラインに設定した場合は960x720px(4:3)に変換されるが、アスペクト比の情報は残っているので、再生時に16:9になるよう引き延ばされる。当然、こちらの方が画素数が少なくなるのでファイルサイズも小さくなる。ただ、再生環境によってはアスペクト比の情報が拾われずに4:3のまま縦長に表示されてしまうことがある。
では、–loose-anamorphスイッチを指定した場合と指定しない場合でファイルサイズや画質にどれほど違いが出るのか。
画質の比較
BS MPEG-TS オリジナル (1920x1080i) / 地デジ MPEG-TS オリジナル (1440x1080i)
地デジとBSを比べるつもりはなかったのだけど。BSは地デジより画質がいいとは聞いていたが、こうして見ると結構違う。
地デジ映像をH.264 720p変換 (1280x720p) / 地デジ映像をH.264 720p変換 –loose-anamorphスイッチ付加 (960x720p)
こうして隣に並べてみてもわかりにくい。画像を重ねて切り替えれば輪郭が少しぼやけている違いがわかるレベル。
ファイルサイズの比較
- 地デジ MPEG-TS オリジナル (1440x1080i) - 3.26GB
- H.264 720p変換 (1280x720p) - 448MB
- H.264 720p変換 –loose-anamorph (960x720p) - 365MB
–loose-anamorphスイッチを付けるとファイルサイズは20%縮小した。画質については静止画で見比べても微妙なところで、GPUのデノイズやブロック除去などの動画再生支援機能が有効になっているとどっちが画質がいいのか見分けが付かなくなる。
再生環境で再生に問題がでないようであれば–loose-anamorphスイッチを付けてエンコードすれば、画質をそれほど落とさないままファイルサイズを圧縮できる。