EIZO Flexscan T566 CRTディスプレイの分解方法
EIZOのCRTを分解・整備する機会があったので、それに関連するノウハウを書いていこうと思います。
EIZO(ナナオ) Flexscan T566 17インチCRTディスプレイの分解方法。メイン基板を取り外すところまで。
シェルカバーを取り外す
裏面下部の両脇にある2本のネジを取り外します。カバー両脇のやや下の方を持って後ろへ引っ張り上げます。上面はツメで引っかけてあるので、外れにくい場合は切りかけがある部分をマイナスネジで適度に押し込むと少し外れやすくなります。
シールドを取り外す
シールドは側板2枚と裏板1枚で構成されています。まず裏板の下端の3本のネジを外して取り除きます。次に、側板の上面の画面側にあるネジ1本ずつを取り外します。
ビデオユニットを取り外す
シールド裏板の下にあるVGA端子などが付いているボードをビデオユニットと呼びます。この5本のネジを外します。
4本のケーブルを取り外します。なお、CN204はフラットケーブルで折り曲げると簡単に断線してしまうので、力の加え方に気をつけながらゆっくり抜きます。
台座・メイン基板を取り外す
メイン基板上の3本のコネクター(CN002, CN501, CN804)を取り外します。ブラウン管上のCN4コネクターを取り外し、ケーブル上の結束バンドを切断します。
ブラウン管の背面(電子銃の後ろ)に付いているCRT基板を取り外します。ピンで差してあるだけなので、基板を平行に後ろ方向に引っ張れば外れます。なお、このCRT基板は電源オン時には数百ボルトという高電圧が掛かるので、必ず電源は切ってから触るようにします。
アノードキャップを取り外します。アノードキャップ周辺には26kVという高電圧が掛かっているので、次のページを参考にしながらチャージを落として下さい。
→ CRTのアノードキャップの取り外し・取り付け方 - Diary on wind
タオルなどの柔らかい布を敷いてディスプレイを前に倒します。
次の写真を参考にしながら2本ずつ両サイドのネジを取り外します。
メイン基板と台座は一体になっていて、先ほど取り外したネジで前面部分に固定されています。なので、メイン基板を台座ごと取り外します。
メイン基板を取り外す
メイン基板上の3本のネジ(基板上に白矢印でマークされている)とACケーブル接続部分の2本のネジを取り外します。台座からメイン基板が外れます。
裏面のプラスチック製のフレームはツメでメイン基板の穴に引っかけてあるので、これを押し込んでフレームを取り外します。
メイン基板上の調整ねじ(可変抵抗)の役割について
詳しい調整方法は後日改めて書きますが、ついでなので簡単な説明をここに載せておきます。
VR901
+80V電源ラインの電圧を調整する可変抵抗。TP901とグラウンド間にDC電圧計を入れて、+80.0Vになるように調整します。
VR701
ブラウン管のアノードに掛かる電圧を調整する可変抵抗。アノードとグラウンド間にDC電圧計を入れて+25.0kVになるように調整します。ただ、これだけの高電圧になると普通のマルチメーターではそのまま測定することはできません(感電の恐れがあるので絶対にやってはいけません)。高電圧測定用のプローブが必要です。モニター工場出荷時の状態ではねじ頭にボンドが詰めてあり、動かないようになっています。
F1 / F2
CRTモニターのフォーカスを調整する可変抵抗。画面の文字などが常にぼやけて見える場合は、ここでピントが合うようにネジを回して調整しします。