欧米ドメインに潜在する中国人
Google Analyticsなどのアクセス統計サービスには国別アクセスを集計する機能がある。この集計方法はサービスによって違うかもしれないが、その一つの方法としてIPアドレスからドメインを逆引きして地域を推定する方法がある。
この方法による集計はあまり真に受けてはいけない。VPN経由のアクセスもそのVPNサーバーの設置場所がアクセス元の国になるためだ。日本のサイトは中国からのアクセスも少なくないが、これらは欧米のVPNサービスを経由している場合が多い。このことは、ドメインが西洋諸国なのにブラウザの言語やタイムゾーンが中国であることから分かる。国別集計で中国が少ないからといって、不用意に下手な中国批判を掲げると大変なことになりかねない。
中国を代表として挙げたが、VPNユーザーは中国だけではない。日本居住者にとって、外国のサイトやWebサービスにアクセスしたいために外国のVPNを使うというのは全く馴染みないだろうが、国によってはネット閲覧規制を回避する手段の一つとして常識レベルで知られている。私が身近で知るところでは、インドネシアではRedditへのアクセスが禁止されていたり、フィリピンではブルアカのアクセスがブロックされていたりする。しかし、これをVPNで回避してアクセスしているユーザーは相当数いるとみられる。
発言の一つ一つに厳しい目が見られがちな昨今、ほとんどの人は注意していることだろうが、特にコンテンツクリエイターはどこの誰に閲覧されているか分からないということを念頭に置くべきだろう。