無料で読める送電系統保護継電器システムの入門書
→ 「実務に則した保護リレーシステム技術の学び方」の入門書 | 電気学会 保護リレーシステム技術委員会
Webページの説明では学生向け講座の資料とあるけど、電力会社やその請負工事会社で社員教育に十分使えるレベル。むしろ、実務上はこの中でも担当分野で必要に駆られなければ知らない内容が多いので、ここまで広く理解できたら上出来なほう。
保護継電器が何たるかの概念的な部分はもちろん、実際にどのように機能し運用されているか、設備更新計画の策定から設計・施工までの業務全体が見渡せる内容になっている。工事業者や保守点検業者ならみんな知っているけど、それ以外の人には関わりがないであろう、VTプラグ短絡禁止、CTプラグ開放禁止の話も書かれている。実務に携わっていない人に対してここまで説明する必要ある?というレベルだけど、コラム欄だからまあ良いか。
特高送配電網の系統保護を中心として書かれているので、高圧配電網をもつ特高需要家の主任技術者や電験二種以上を目指している人は前半まで読んでいて損はない。後半はよりマニアックな内容だが、送配電事業者や工事会社での社員教育向け資料としては有用と思う。