Windows付属のデフラグの歴史
MS-DOS、Windowsに付属するデフラグツールをまとめてみた。
Windows NTにはデフラグツールは付属しない。
○MS-DOS 6.x (1993 - 1994) (開発: Symantec)
MS-DOS単体製品では最終バージョンにあたる6になって初めて付属した。画面はNEC PC98版MS-DOS 6.2のdefrag.exe。
バージョン情報を見てわかるとおり、Symantec社のディスク管理ソフト「Norton Utilities」に含まれているツール「Speed Disk」の機能限定版。画面は ファイルだけ最適化 を実行しているので空きがいくつかできているが、完全最適化では空きスペースを詰めることもできる。
当時はあくまでDOSのシェル拡張ソフトという位置づけだったWindows 3.x以前にはデフラグツールは付属せず、DOS上でデフラグを実行する。日本ではマイクロデータ社から「ノストラダムス(空飛ぶ絨毯版)」(PC98、PS/55、FMR対応)というディスク最適化ソフトが販売されていた。
ちなみにこちらが本家のSpeed Disk (1993)とMS-DOS 6.2/VのDEFRAGコマンド
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○Windows 95/98/Me (1995 - 2000) (開発: Symantec(?))
95/98/Me で見た目に変化はないと思われる。
デフラグ中にファイルの変更や書き込みをするとその度に分析からやり直しになるので、デフラグ中に行える作業は限られる。
分析結果の表示はMS-DOSのデフラグに似ているが、全体を把握しづらくて見にくい。
著作権表示にSymantec社の名前が入っているあたり、これも同じくNorton Utilities Speed Diskの機能限定版ということだろうか。
Windows 98から Intel Application Launch Accelerator (IALA) が追加された。
これはtaskmon.exeがアプリケーションの起動を常時監視・記録し、デフラグ実行時にアプリケーションの起動に使うファイルを使用順にディスク上に並び替えることでアプリケーションの起動を早くするという機能。
Windows 2000以降ではこの機能は搭載されていないが、市販のデフラグソフトには同様の操作を行うものもある。
また、IALAとは少し違う機能だが Windows XP以降 では layout.ini を最適化する機能が標準で備わっている(バックグラウンドで行われる)
Win9xのdefrag.exeのコマンドラインオプションはこちらを参照
→ http://support.microsoft.com/kb/155326/en-us
○Windows 2000 (2000) (開発: Executive Software International)
「Diskeeper の開発元によって開発されました。」とあるとおり、Executive Software社(現在はDiskeeper Corporation)の市販デフラグソフト「Diskeeper」の機能限定版である。
分析結果がグラフで表されるようになり、Win9x系のデフラグと比べてもかなり見やすくなっている。
Diskeeper製品版からバックグラウンドでのデフラグ実行、スケジュール実行、ページファイル、MFT、ディレクトリのデフラグ、ブートタイムデフラグ(Windows起動時のデフラグ)などの機能が省略されている。
こちらは本家Diskeeper 6.0(2000)
○Windows XP (2001) (開発: Executive Software International)
Windows 2000 からの大きな変更は見受けられない。
Windows XPのdefrag.exeのコマンドラインオプションの詳細はこちらを参照
→ http://support.microsoft.com/kb/283080
○Windows Vista (2006) (開発: Microsoft)
見ての通りここで機能が大幅に削減されたが、新たにスケジュール機能が加わった。
XP で定期的に自動でデフラグするにはタスクを組む必要があったが、VistaからはOSが無負荷時に自動で行うようになった。
また、英語版WikipediaによればXPに比べてデフラグによるパフォーマンス向上がより効果的になっているとのこと。
グラフや進行状況などを削除したのはデフラグ実行の自動化を促すためとマイクロソフトは説明するが…
分析はコマンドラインからのみ行うことができる。
○Windows 7 (2009) (開発: Microsoft)
各ドライブのデフラグの進行状況や実行履歴がわかるようになり、また分析機能が追加された。
分析結果・最適化結果はテキスト表示のみでグラフは表示されない。
○Windows 8 (2012) (開発: Microsoft)
見た目はあまり変わっていないが、HDD、VHD、SSDのそれぞれに適したデフラグ処理が行われるようになった。
コマンドラインからはSSDのドライブに対してTrimを実行できるようになった。
○関連
・Windows用市販デフラグツール
https://diarywind.com/blog/e/g13_130_windows_3.html
○更新履歴
12/12/18 更新
11/04/26 更新
11/03/23 記事分割
11/03/21 更新
10/04/26 作成