ASUS Xonar Essence STX
ASUSTeK Xonar Essence STX | |
価格 | オープン(実売平均価格15,000円) |
出荷日 | 2009年3月(海外)、2009年7月(国内代理店取扱い開始) |
対応機種 | PC/AT互換機、Intel Pentium 4 1.4GHz以上、PCI Express x1 1スロット |
対応OS | Windows XP, Vista(,7) |
機能 | PCM録音/再生(最大192kHz/24bit/7.1ch) |
DirectSound3D対応 | |
ASIO 2.0対応(最大192kHz/24bit) | |
Dolby音響効果(Dolby Digital Live、Headphone、Virtual Speaker、Pro-Logic II) | |
入出力 | マイク/ライン入力 |
CDオーディオ入力 | |
フロントパネルヘッダー | |
S/PDIF内部出力 | |
RCA出力 2ch x 1 | |
標準ジャック出力 2ch x 1 | |
S/PDIF(同軸/光)出力 | |
付属品 | サウンドカード |
RCAピン 2ch - ミニジャック(2ch)変換ケーブル | |
標準ジャック(2ch) - ミニジャック(2ch)変換ケーブル | |
光TOSLINKアダプター | |
ドライバーCD | |
クイックスタートガイド | |
測定テストレポート | |
ポスター x 2 | |
備考 | Molex 8981準拠の4ピン電源コネクターを接続して外部から電源を供給する必要がある。 |
- RCA端子 - スピーカー出力(2ch)
- 標準フォーン端子 - ヘッドフォン出力(2ch)
- 標準フォーン端子 - マイク/ライン入力(2ch)
- RCA端子 - S/PDIF出力(オプティカル/コアキシャル兼用)
- National Semiconductor LM4562NA - オペアンプ(差動/シングルエンド変換)
- JRC NJM2114D - オペアンプ(I/V変換)
- Texas Instruments TPA6120A2 - ヘッドフォンアンプ
- Texas Instruments PCM1792A - DAC(ダイナミックレンジ127dB)
- 2x5ピン入出力端子 - HD Audio/AC'97対応フロントパネルヘッダー、PCケース前面のI/Oパネル等に接続
- CDオーディオ入力端子 - 内蔵CD/DVDドライブのアナログ音声出力に接続
- Molex 4ピン電源端子 - 外部電源供給用(PC本体の電源ユニットのケーブルと接続)
- S/PDIF出力端子 - HDMI対応ビデオカードなどに接続
- PLX Technology PEX 8112 - PCI-E to PCI変換ブリッジ
- ASUS AV100 - DSP
- Cirrus Logic CS5381 - ADC(ダイナミックレンジ120dB)
PCI Expressスロット用の拡張カードだが、PCI-E to PCI変換ブリッジを介しているので実質PCI接続である。
アナログ出力を2chに限定しているだけあって見た目はスッキリしている。
交換可能なオペアンプには標準では"NJM2114D"が2個と"LM4562NA"が1個使われているが、写真では"NJM2114D"を"LT1364"に交換してある。そのほか、カタログの写真とは異なる部分がいくつか見受けられるが、これらは製造時点からのもの。
黄色の破線で囲んだ部分は普段はEMIシールド(金属製のカバー)で覆われていて、この写真はそれを外した状態。
RCA出力(1)と標準ジャック出力(2)は排他利用で、ドライバーソフトウェアの設定を変更することで基板上のリレーが切り替わるようになっている。マイク入力/ライン入力兼用端子についても同様。
オペアンプは3個が交換可能だが、ヘッドホン出力は(6)のオペアンプと(7)のヘッドホンアンプ(固定)を通るため(5)のオペアンプの影響を受けない。
付属のアクセサリー
Windowsの音声入出力切り替え画面
Ubuntu(Linux)の音声入出力切り替え画面
カタログ上の仕様ではアナログ出力のS/N比は124dB、THD+Nは0.0003%、96kHz/24bit入力時の周波数特性は10Hz - 90kHzと、現時点のXonarシリーズの中では最良の特性を備えていることになっている。
*ヘッドホンで聴いた感想(レビュー)
使用するヘッドホンはゼンハイザーHD598。オペアンプは標準構成。エフェクトは全て無効。x-アプリ V3.0でATRAC3plus 256kbps(DSEE有効)の楽曲を再生。比較対象はP8Z68-M Proのオンボードサウンド(ALC892)、Sound Blaster Audigy 2 ZS、AT-HA26D、iHA-21EX。
Audigy 2 ZSではもごもごと鳴っていた低音は引っ込んでタイトになり、解像度が上がって高音がきれいに鳴るようになった。オンボードサウンドと比べて音圧・迫力は同程度だが、解像度の悪さや高音を鳴らしきれていなかった部分がかなり改善された。Audigy 2 ZSよりはフラットに近づいたが、寒色系でモニターライクな音のAT-HA26Dと比べると低音が少し強調されていて、音場や空間表現がそれなりにあることを感じた。
本製品は多層基板、EMIシールド、外部電源入力などノイズ対策に力を注いでいるようだが、残念ながら常時ノイズがオンボードサウンドよりも大きく聞こえた。もっとも、以前他のPCに組み込んでいたときは音量を最大まで上げてもノイズがほとんどなかったので、これについてはPCパーツなどの環境に依存するところが大きいのだろう。
価格帯の違うiHA-21EXと比べるのは筋違いな気がするが、敢えて比較すると明瞭さや解像度に差がある。特に重低音と高音の質や響きに差を感じる。また、こちらは全体的にわずかに曇っている感じがする。音場はわずかにこちらのほうが左右に広いものの、立体感では劣っている。
各種設定はデバイスドライバーに付属のXonar Audio Centerという設定ツールに統合されており、ここで行う。Audigy 2 ZSでは設定項目が複数の設定ツールに分散されていて、しかもいくつかは重複する設定項目があって複雑であったことと比べると、こちらはかなり使いやすい。ドルビーデジタルの疑似サラウンド機能とは別にエフェクト機能があるのだが、ただのおまけではなく設定項目がとても充実している。ただ、ProcessMonitorでAudio Center(AsusAudioCenter.exe)を監視していると、負荷は小さいながらも断続的にハードディスクアクセス(File Read)が発生しているのが気になった。
*購入ガイド
- 現行製品につき現在も販売中(Amazon.co.jp)。在庫は発売当初から慢性的に少なくなっています。
- PCIカード版のXonar Essence STもあります。STにはXonar H6(Xonar HDAV1.3 Deluxeに付属するドーターカードと同等。日本国内では未発売)を接続できるという違いがあります。
- 正規代理店を通して流通している製品を購入した場合は1年間の国内保証を受けられます(箱に1年保証のシールが貼ってあるはず。Amazonから販売されている分にも貼ってあると思います。)
- 付属のクイックスタートガイドは日本語を含む各国語による説明が載っていますが、言語あたり4ページほどの簡単な説明しかありません。初期出荷分では日本語の説明が含まれていないようです。
- ASUSのダウンロードページより英語のみですが詳細なマニュアルを入手できます。ドライバーは付属のCDではなくASUSのサイトから最新のドライバーを入手してください。
- 現在最新のLinuxでは既に対応済みでドライバーのインストールは不要です(ALSA 1.0.20またはLinuxカーネル2.6.30以降対応。)
*外部電源供給について
このサウンドカードはノイズ対策のため電源を外部から供給することになっており、かつて5インチFDDやESDI/IDEハードディスク/CDドライブで使われていた4ピンの電源コネクタを接続する必要があります。
SATAドライブ用電源コネクタしかなければ変換ケーブルを使うといいでしょう。
○Xonarシリーズラインアップ(仕様は『ASUS PCパーツ総合カタログ 2011/09』より)
Gamingシリーズ | 発売日 | 実売価格 | 出SN比 | 出THD+N | 入出力系統 |
Xonar D2/PM | 2007/07 | 17,000円 | 118dB | 0.0004% | PCIカード、マイク入力(1ch)、ライン入力(2ch)、MIDI入出力 x 1 ミニジャック出力 2ch x 4、S/PDIF入力 x 1、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar D2X | 2008/05 | 16,000円 | 118dB | 0.0004% | PCI-Eカード、マイク入力(1ch)、ライン入力(2ch)、MIDI入出力 x 1 ミニジャック出力 2ch x 4、S/PDIF入力 x 1、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar D1 | 2008/05 | 7,000円 | 116dB | 0.0006% | Low-Profile PCIカード、マイク/ライン入力(2ch)、 ミニジャック出力 2ch x 4、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar DX | 2008/05 | 9,000円 | 116dB | 0.0006% | Low-Profile PCI-Eカード、マイク/ライン入力(2ch)、 ミニジャック出力 2ch x 4、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar DS | 2009/07 | 6,500円 | 107dB | 0.0017% | Low-Profile PCIカード、マイク/ライン入力(2ch)、 ミニジャック出力 2ch x 4、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar Xense | 2010/08 | 28,000円 | 118dB | 0.0004% | PCI-Eカード、マイク/ライン入力(2ch)、標準ジャック出力 2ch x 1、 ミニジャック出力 2ch x 4、S/PDIF出力 x 1、ヘッドセット(PC 350) |
Xonar DG | 2010/10 | 3,500円 | 105dB | 0.0025% | Low-Profile PCIカード、マイク/ライン入力(2ch)、 ミニジャック出力 2ch x 3、S/PDIF出力 x 1 |
HDAVシリーズ | |||||
Xonar HDAV1.3 Deluxe | 2008/12 | 21,000円 | 120dB | 0.0004% | ↓+ドーターカード(RCA出力 x 6) |
Xonar HDAV1.3 | 2009/07 | 18,000円 | 120dB | 0.0004% | PCI-Eカード、マイク/ライン入力(2ch)、ミニジャック出力 2ch x 2、 S/PDIF入力 x 1、S/PDIF出力 x 1、HDMI入出力 |
Xonar HDAV1.3 Slim | 2009/07 | 13,000円 | - | - | Low-Profile PCIカード、S/PDIF出力 x 1、HDMI入出力 |
Essenceシリーズ | |||||
Xonar Essence ST | 2009/07 | 17,000円 | 124dB | 0.0003% | PCIカード、マイク/ライン入力(2ch)、RCA出力 2ch x 1、 標準ジャック出力 2ch x 1、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar Essence STX | 2009/07 | 15,000円 | 124dB | 0.0003% | PCI-Eカード、マイク/ライン入力(2ch)、RCA出力 2ch x 1、 標準ジャック出力 2ch x 1、S/PDIF出力 x 1 |
Laptopシリーズ | |||||
Xonar U1 | 2007/09 | 7,000円 | 100dB | 0.0045% | USB外付けデバイス、ライン入力(2ch)、 ミニジャック出力 2ch x 1、S/PDIF出力 x 1 |
Xonar U3 | 2011/06 | 3,500円 | 100dB | 0.0050% | USB外付けデバイス、ライン入力(2ch)、 ミニジャック出力 2ch x 1、S/PDIF出力 x 1 |
○更新履歴
- 2011/09/24 サウンドボード博物館から分割。