Image: 安物メンブレンキーボードを分解する

所有しているメンブレンキーボードの中身を観察する。現在はいずれも退役。

○NEC PC-9821シリーズ付属のキーボード

型番 (Model) 不明
部品番号 (P/N) 不明
メーカー 日本電気株式会社
製造時期 1993年頃
配列 独自配列 (JIS C 6226準拠)
キーの数 121
キーロールオーバー Nキーロールオーバー (全押しOK)
接点の種類 メンブレン
接点のメーカー 日本電気株式会社
主な制御チップ NEC製カスタムチップ
インターフェース ミニDIN8 (PC-9800シリーズ専用)
サイズ (WxDxH) 44.0 x 17.8 x 3.7 (cm)
重量 不明
価格 20000円(PC-9801-106)

1995年以前のPC-9821シリーズデスクトップモデルに標準で付属したキーボード。メンブレンタイプとしては初期のものである。
本記事のタイトルに「安物」と書いてしまったが、こちらは同等品(型番:PC-9801-106)が2万円という、今となっては高級キーボードに匹敵する代物だ。

上面

このキー配列は1988年発売のPC-9801RA付属キーボードから全く変わっておらず、1981年発売のPC-8801が基本になっている。カーソルキーがキーボード手前に配置されていることは今では当たり前だが、PC-8801発売当時はやや珍しかった。

PC98を使ったことがない人にとっては見慣れないキーがあるので、それらについて解説しておく。

  • STOP - CTRL + Cキーと同等。実行中の処理を中止する。
  • COPY - PrintScreenキーと同等。画面の表示内容をプリンターに出力する。
  • vf1 - vf5 - 決まった役割はなく、アプリケーションによって機能が割り当てられる。
  • HOME CLR - テキスト画面を消去してカーソルホームポジションを左上に戻す。
  • HELP - 決まった役割はなく、アプリケーションによって機能が割り当てられる。
  • ROLLUP, ROLLDOWN - PageUp、PageDownキーと同等。ただし上下が逆。
  • GRPH - 文字キーと組み合わせてグラフ文字(罫線文字など)を入力する。
  • XFER - 変換(transfer)。
  • NFER - 無変換(not transfer)。

内部の裏面

メンブレンシート

メンブレンゴム

ラバーカップがキー1個1個に付いている。たいていのメンブレンキーボードはラバーが1枚のシートになっており、この構造は少し珍しいタイプだ。

CAPSロック、カナロックのインジケーター

ちなみに前期98キーボードは接点がメカニカルスイッチで、キートップが2色成型であった。RDFキーボードを参照。

こちらは本キーボードのキートップ。印字は浸透印刷かと思われる。

○DELL SK-8000

型番 (Model) SK-8000
部品番号 (P/N) 0007939R
メーカー デルコンピュータ株式会社
製造時期 1999年頃
配列 日本語109キーボード
キーの数 109
キーロールオーバー 不可
接点の種類 メンブレン
接点のメーカー 不明
主な制御チップ 不明
インターフェース PS/2ポート
サイズ (WxDxH) 46.5 x 17.2 x 3.5 (cm)
重量 不明
価格 不明

Win9x時代の一般的な大きさのキーボード。感触は一般的なメンブレンで、ストロークは少し深い。キートップのぐらつきが気になる。

上面

キー配列・表記はOADG 109キーボードに完全に準拠しており、DOS/Vの名残である「漢字番号」や「々」などの表記が残っている。これらはWindows上では意味を成さない。
一部のキーが変色しているが、これはもともと変色していたキーボードを漂白しようとしてムラができてしまったため。

キーを全て抜き取ったところ

内部裏面の鉄板

メンブレンゴム

メンブレンシート

シートの素材に東レ株式会社のルミラー(Lumirror UL-94VTM-2)を使用していることはわかったが、メーカーは不明。

○富士通 DESKPOWER CEシリーズ付属のキーボード

型番 (Model) 不明
部品番号 (P/N) CP151370-01
メーカー 富士通株式会社
製造時期 2003年頃
配列 日本語109キーボード
キーの数 105 + 13
キーロールオーバー 不可
接点の種類 メンブレン
接点のメーカー アルプス電気株式会社
主な制御チップ 不明
インターフェース PS/2ポート
サイズ (WxDxH) 43.0 x 16.0 x 4.3 (cm)
重量 不明
価格 不明

感触は少し軽いが戻りが遅く、高速なタイピングは難しい。ストロークは少し浅め。方向キーの下と左の同時入力ができない。

上面

キーボード手前に取り外し可能なパームレストを装着できる。この写真はパームレストを外した状態。

内部裏面

制御基板

キートップの穴

メンブレンシート

○iBuffalo スリムタイプ 有線キーボード

型番 (Model) YDKBU09シリーズ
部品番号 (P/N) 不明
メーカー 株式会社バッファローコクヨサプライ
製造時期 2011年頃
配列 日本語109キーボード
キーの数 107
キーロールオーバー 不可
接点の種類 メンブレン
接点のメーカー SOLID YEAR CO LTD
主な制御チップ LOG-2021UM
インターフェース USB 1.1
サイズ (WxDxH) 39.0 x 15.5 x 2.6 (cm)
重量 不明
価格 1,980円くらい

感触はノートパソコンのキーボードでよく使われるパンタグラフのようだが、構造としてはメンブレンである。ストロークは浅い。LEDは青色。



サイズはコンパクトなほうだが、もう少し余白を詰められないのだろうか。

カバーを外したところ

メンブレンシートとその下の鉄板がプラスチックのリベットで接合されているので、鉄板を外すことはできない。

キートップを拡大

キートップの印字がシールで貼ってあるかのように見えるが、シールではない。


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