Image: MBMを使ってDOSとWindows 98でデュアルブートを組む

先日組んだ旧型DOS/V機でPC DOS 2000+Windows 3.1とWindows 98SEとでデュアルブートを構成してみる。

DOSやWin9xは1システムに1個しか存在しないことが前提になっていて、HDDや領域ごとにOSを使い分けることは考慮されていません。そのためFDISKで作成できる基本領域は1つのみであることに加え、ブートマネージャーが存在しません。

Windows NT4.0以降とマルチブートを組む場合は、Windowsブートマネージャーを利用すればWin9xやDOSと比較的簡単にマルチブートを組むことができます。方法はこちらを参照。

DOSとWindows XPのデュアルブート

DOSやWin9xだけでマルチブートを組むにはサードパーティーのHDD領域編集ツールとブートマネージャーが必要になります。当時はPartitionMagicという市販ソフトを用いるのが一般的でしたが、現在ではフリーソフトのMBMを使ってマルチブートを実現できます。

マルチブート化にあたってはこちらの方のサイトが参考になりました。

古い実機の環境整備とバックアップ - 暇つぶし日記

1. MBMの起動用ディスケットを作成する

MBMの圧縮ファイルを展開したら、BINディレクトリ内のMBM.144をディスケットやUSBメモリに書き込みます。今回はEMT4WINを使ってMBM起動ディスケットを作成しました。

2. 領域を作成する

MBM起動ディスケットから起動してEdit Partition Tableを選択します。PageUp/PageDownキーで基本領域を作成します。その際にシリンダ0はブートマネージャーのために空けておく必要があるので、最初の領域はシリンダ1を始点とします。
Image: MBM Partition Table Editor

3. DOSをインストールする

普通にDOSをインストールします。既に領域を作成しているのでFDISKを実行する必要はありませんが、Cドライブに対してフォーマットを実行する必要があります。

4. DOSの領域をマスクする

再びMBM起動ディスケットから起動してEdit Partition Tableを選択します。DOSの領域のシステムIDを06hから16hに変更します。これによってWindows 98からはDOSの領域は見えなくなります。

5. Windows 98をインストールする

普通にWindowsをインストールします。こちらもまた、Cドライブに対してフォーマットを実行する必要があります。

6. マスクを解除してブートマネージャーをインストールする

MBM起動ディスケットから起動してEdit Partition Tableを選択。DOSの領域を16hから06hに変更してマスクを解除します。前の画面に戻って、Install Boot Managerを選択、そのままEnterキーで進めるとハードディスクの先頭にMBMブートマネージャーがインストールされます。これで次回起動時からブートメニューが表示されるようになります。

Windows 98では起動ドライブが必ずCドライブになります。(※PC98の場合はAドライブ。)今回の例ではDOSの領域が第1領域ですが、こちらはDドライブとして割り当てられます。
Image: FDISK


Windows 98の動作も安定しているので、当分の間はDOS+Win98兼用機として使っていけそうです。
なお、以前Windows Virtual PCに構築したDOS環境は削除してしまいました。CPUをIvyBridgeに変えてから仮想マシンのDOS上でStack overflowエラーが頻発するようになったので、使い物になりません。今後はWin3.1ソフトと日本語のDOS/Vソフトは実機で、英語のDOSソフトはDOSBoxで使っていく予定。DOS J5.0/Vのライセンスが余るけど、検証用として使うかもしれないのでとっておこう。


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