昔のJISキーボード配列 JIS C 6233-1972
昔、パソコンの歴史を調べていたときのメモを見つけて、懐かしみながら読んでいたのだけど、その中に興味深いものを見つけた。(字が汚くて申し訳ない)
現在の日本語キーボード配列はOADGという業界団体が定めた仕様が元になっていて、それをさらにさかのぼるとJIS C 6233-1980 情報処理系けん盤配列(現在はJIS X 6002-1980に該当)という標準規格が元になっている。このJIS C 6233という規格が最初に発行されたのは1972年のことで、その配列は上のようになっていた。
現在のキーボードと比べると見慣れないキーがいくつかある。
CAN→Escape、H TAB→Tab、抹消→Delete、復改→Enter、後退→Backspace、間隔→Space、というところまでは何となくわかるが、SOH、STX、ETB、ETXは全く予想が付かない。また、シフトキーがない代わりに英記号やカナ記号というキーがある点が気になる。
英数、英記号、カナ、カナ記号キーの役割についてはこちらのサイトに詳しい説明がある。
→Weekly "Keyboard World" Chapter 2. Keyboard Layout : Case 1 - Studio sixnine
つまり、日本語キーボードのキートップを見ると1つのキーに最大で4つの文字が刻印されているが、それを入力する時に英数、英記号、カナ、カナ記号キーを押して切り替えていたわけだ。
この配列は日立 ベーシックマスターやシャープ PC-3200S/3100Sなどの黎明期の国産パソコンで使われていたが、NEC PC-8001が登場した頃からはほとんどがシフトキーを取り入れた配列(JIS C 6233-1980)になっている。
ちなみに、同じページにはなぜか磁心記憶装置(磁気コアメモリ)の仕組みが書いてあった。半導体メモリが登場するまでコンピューターの主記憶装置として使われていたもの。こんなの今さら知ったところで「ふーん」で終わりだが。
出典を失念してしまったが、1970年代後期のコンピューターの活用例について書かれた本だったと思う。