Number Nine 9FX Motion 331 (S3 Trio64V+)
Number Nine(#9)社製PCIグラフィックボード 9FX Motion331 と、DOS/Windows3.1/Windows98での使用について。
Number Nineという会社を知ったこと自体つい先日のことだったけれど、調べれば調べるほど興味がわいてしまってついに手を出しちゃった。
外観
表
基板の配線がとても美しい。いきなり配線が云々とか何言ってんだ、と思った方はぜひ「S3 Trio64V」で画像検索して他のグラフィックボードと見比べて欲しい。違いがはっきりとわかるはず。
基板右上にはうっすらと「SHE LOVES YOU」の文字がある。基板のP/NはPC00JPS0-04で、これはS3 ViRGEを搭載する9FX Reality 332と同じ。
裏
各種スクリーンショット
起動画面 (VGA BIOSロード時)
右上に「Yeah Yeah Yeah」の文字。Beatles - She loves youの歌詞から来ているに違いないが、個人的な思い入れをこうも堂々と製品に込めるなんてw 他にはそうそうない。でもこれはこれでGOOD。
Reflesh Rate Utility
DOS上でリフレッシュレートを設定するツール。DOS版AutoCAD、Lotus 1-2-3やVESA VBEに対応したアプリケーションを使用している時にこの設定が適用される。設定時にビープ音で効果音が流れてちょっとびっくり。
HawkEye for Windows 3.x
HawkEyeは#9社製グラフィックボードに付属する、Windows 3.x/95に対応したドライバー・ユーティリティー。メッセージ・ヘルプはほぼ日本語化されており、IBM版日本語MS-Windowsにも対応している。
セットアップ画面
Number Nine HawkEye Control Panel
Monitor Adjustment
Status
Resolution Exchange
仮想画面は実際のディスプレイ画面よりも大きな画面をデスクトップとして使える機能。ただし仮想画面はVRAMが対応できる画面モードに限られる。
Zoom
Stop Box
Place Windows
Chameleon Cursor
Hot Mouse
マウスやキーボードにホットキーを設定するツール。ディスプレイとは直接関係ないけど、あれば便利かなー
Energy Saver
International Exchange
なんか不自然なほどに余白が多いw たぶん海外版Windowsではドイツ語やフランス語などのオプションが表示されるんだろう。
仕様
グラフィックコントローラはS3 Trio64V+、ビデオメモリは2MB EDO RAM、DACはGPU内蔵で最大ドットクロックは135MHz。VRAMが2MBしかなく(Trio64V+の仕様でもある)、最大解像度は1280x1024/256色、1677万色表示だと800x600まで。対応OSは日本語Windows 3.1、日本語Windows NT3.51、日本語Windows 95など。Windows 98以降はメーカーからドライバが供給されていないが、Windowsインストールディスクに収録されているS3製のドライバーが使える。VESA1.2に準拠。VESA2.0にはUniversal VESA driverで対応。#9社の上位製品には9FX Motion771やImagine128があった。
ベンチマーク
WinTach (Windows 3.1)
HDBench (Windows 98 SE)
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name W98PC Duron700M
Processor AMD Duron 700.02MHz[AuthenticAMD family 6 model 3 step 1]
Cache L1_D:[64K] L1_I:[64K] L2:[64K]
Name String AMD Duron(tm) Processor
VideoCard Number Nine 9FX Motion 331 (S3 765)
Resolution 800x600 (16Bit color)
Memory 260,884 KByte
OS Windows 98 4.10 (Build: 2222) A
Date 2014/04/29 23:45
SCSI = Ultra SCSI PCI Card REX PCI30
HDC = VIA Bus Master PCI IDE Controller
HDC = Primary IDE controller (dual fifo)
HDC = Secondary IDE controller (dual fifo)
Resolution 800x600 (16Bit color)
Rectangle Text Ellipse BitBltDirectDraw
8138 6786 2160 33 13
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Rectangle Text Ellipse BitBltDirectDraw
6975 5769 2092 16 10
Resolution 800x600 (24Bit color)
Rectangle Text Ellipse BitBltDirectDraw
4743 2920 1719 12 8
使用感
Windows 98にて一発で起動。デスクトップで使っていて特に遅いとは感じないが、ビデオメモリの制限で1024x768だと16ビットカラー、1280x1024だと8ビットカラーになってしまう。Win95時代ならそれで困らなかったが、Win98時代になってくるともう時代遅れのスペック。Hawkeye(ドライバ付属のユーティリティ)はWin98以降には対応していない。Win95時代の2Dゲーム(DirectDraw)は快適に動く。神威(STG)で時々処理落ちする。らじおぞんで(STG)は遅すぎて実質プレイ不可。Direct3Dには対応していないので3Dゲームは起動すらしないものもある。
DOSゲームとしてFALCON3.0を動かしてみた。オープニングムービーはやはりもたつくが、Matrox G400に比べればずいぶん改善された。ゲーム本編は特に処理落ちもなく快適に動く。DSPXVBEによるV-TEXT表示は問題ない。
DOS/Windows 95兼用機で使うならこれが良い選択になるだろう。Windows 98/Me/2000/XPでもOS標準ドライバーが対応しているので使うことはできるが、サポートする画面モードとその環境で動くソフトウェアを考えると実用的ではない。
他のグラフィックボードと併用できるか
Matrox G400(AGP)と同時に接続してみたが、Windows 98のデスクトップ環境は問題なく使用できた。ゲームは未確認。DOS環境では先にVBIOSが初期化された方にのみ画面が映る。BIOS設定画面からAGPとPCIのどちらを先に初期化するか選択できるが、PCIのグラフィックボードを複数差した場合にはどうなるんだろう。