250302 『吉川静子とヨゼフ・ミューラー展』中之島美術館

中之島美術館の『Space In-Between:吉川静子と吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン』展示(最終日)を見てきた。
→ Space In-Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン | 大阪中之島美術館
行きの電車の中で、大阪市立科学館のイベントへ行くついでにどこに行こうかと探っていたとき、この展示があることに気付いた。私は美術分野に知識や学術的な興味はないけども、美術館の展示の中で直感的に気になったものを鑑賞することは好きだ。それは時々、私が全く知らない世界を見せてくれて、とてもワクワクさせる。特に、ピエール・カルダンの調度品を愛用する私にとって、今回のシンプルな幾何学図形というのはとても興味をひかれた。
抽象的な幾何学模様から何かを感じられるか。90度回転する一連の流れ(シーケンスという)とか、動いて見えるような目の錯覚とかは分かるんだけど、半分以上は作者の意図をくみ取れなかったと思う。
この作品は部分部分によって微妙に違う高さで飛び出してて、見る向きによって模様が変わる。幾何学はCGの得意分野だから、今ならコンピューターの3Dで簡単に再現できるけど、この1970年代にはパソコンなどなく、そんな時代でこの幾何学模様を芸術として追究していたというのが、とても特異なことに感じられる。これらの作品は展覧会での展示方法まで綿密な計画の上で製作されている。
GIFアニメにしたらどうなるんだろうとか思っていました。
吉川の後期(2000年代)の作品。シルクロードのテーマは青系の色にその影響が見てとれた。左は方向が入り乱れ、真ん中でどっと整列して、右は整列というほどではないが、方向を合わせて協調しているように見える。
ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンが製作した1970年代のポスター。縦横に文字を組み合わせた『グリッドシステム』を利用した先駆的なデザイナーとして知られる。
レイアウトはいつの時代にも適合しそうなくらいに洗練されているけども、色使いは現代とは少し異なる時代を感じさせる。
帰り際、隣接するビルの庭園広場にて。まだ完成から間もないのか、手入れが行き届いているのか、きれいに整備されていて一息付くにはとても良さそうな空間だった。