Image: 日本IBM DOS/V製品 バージョンの系譜

DOS/V製品バージョン一覧 (日本語版のみ)、DOS/Vバージョン別機能比較表、DOS/Vバージョン別新機能一覧。過去の記事に書いた資料をまとめただけ。その元にした資料も今は手元にないので誤りがあるかも。

DOS/V製品バージョン一覧 (日本IBMまたはマイクロソフトのみ)

製品名 プログラム番号 価格(円) 販売開始日 販売終了日 サポート終了 最終リビジョン
IBM DOS バージョン J4.0/V 5605-PNA 40,000 1990年10月 ? ? J4.07/V(1991年7月?)
IBM DOS バージョン J5.0/V 5605-PJA 23,000 1991年10月 1997年12月 1992年12月 J5.02D/V(1993年5月)
MS-DOS Version 5.0/V OEM供給のみ。市販パッケージは存在しない。
DR DOS リリース 6.0/V - ? 1992年7月 ? ? -
PC DOS バージョン J6.1/V 5605-PTA 23,000? 1993年12月 ? 1995年11月 J6.10A/V(1994年3月)
MS-DOS 6.2/V Upgrade - 12,800 1993年12月 ? 2001年12月 -
PC DOS バージョン J6.3/V 5605-PDA 19,800 1994年5月 1997年12月 ? J6.30C/V(1995年6月)
PC DOS バージョン J7.0/V 5605-PPW 14,000 1995年8月 1998年12月 1998年12月 J7.00C/V(1998年7月)
PC DOS 2000 日本語版 04L5610 9,800 1998年7月 2005年11月 2001年1月 -

PC DOS 2000 日本語版 CD-ROM版のみ現在も販売中(Amazon)。PC DOS 2000製品の詳しい情報はニュースレターを参照。取り扱い状況はこちらを参照。

DOS/Vバージョン別機能比較表

機能サポート/Ver. J4.0/V J5.0/V J5.02/V J6.1/V J6.3/V J7.0/V J2000 5.0/V 6.2/V U W9x
DOSシェル O O O O O O O O X X
IBM連文節変換プログラム O O O O O O O VJEβ IME IME
始動用ディスケットの作成 O O O O O *1 *1 O O X
DOSシェルでのタスクスワップ X O O O O O O O X X
DOSKEY/SETVER/UNDELETE X O O O O O O O O X
HMAメモリ/UMBメモリ X O O O O O O CEMM O O
コマンドのオンラインヘルプ X O O O O O O O O O
101英語(US)キーボード対応 X X O O O O O O O ?
Windows 3.1正式対応 X X O O O O O O O X
3.5インチ1.2MB FD対応 *2 *2 *2 O O O O X O X
AXキーボード対応 X X *3 O O O O X O O
スクリーンエディタ X X *3 O O O O X O O
$DISP.SYSのV-Text対応 X X *4 O O O O X X X
CONFIG.SYS処理スキップ X X X O O O O X O O
Phoenix社のPCカードドライバ X X X O O O O X X X
メモリ16MB以上対応 X X X O O O O X O O
サードパーティツール同梱 X X X O O O O X O X
CD-ROMサポート(MSCDEX) X(*5) X(*5) X(*5) X(*5) *6 *6 *6 X(*5) *6 O
電子マニュアル(コマンド) X X X X X O O X O X
2GB(2047MB)以上のHD対応 X X X X X *7 O X X O
2000年問題への対応 X X X X X *7 O *9 *9 *10
ディスケットの枚数 3 5 5+1 9 9 9 11 (*8) 6 -
  1. 始動用ディスケットを作成するプログラムはない。マニュアルには起動トラブル時は1枚目のセットアップディスクを使うよう説明されている。
  2. 一部のPS/55に付属する”3.5型ディスケット駆動機構VII駆動プログラム”等で対応。
  3. 付属の非サポート扱いの”サンプルディスケット”に収録。
  4. 別売のソフトウェア(IBM DOS/V Extension)で対応。
  5. DOS自体は未対応。CDドライブ製品に付属のDOSサポートソフトウェアを使用する。
  6. 使用するCDドライブに対応したCD-ROMドライバを用意する必要がある。
  7. 問題修正ディスケット(PC DOS J7.00C/V PTF)を適用することで対応。
  8. MS-DOS 5.0/Vにはリテール版はないので、コンパックOEM版を元にしている。
  9. 軽微な問題はあるが、マイクロソフトとしては製品の安定性・機能性に大きな影響はないとして問題の修正は行っていない。
  10. 西暦2000年問題修正プログラムの適用が必要。

DOS/Vバージョン別機能一覧

DOS J4.0/Vは入手・使ったことがないので情報を持っていません。

IBM DOS バージョン J5.0/V

製品付属のライセンス情報より一部引用。

  • 日本語モードと英語モード
    • 日本語DOSバージョンJ4.0/Vと互換性のある日本語モードと、IBM DOS Version 5.0と互換性のある英語モードをSWITCHコマンドで切り替えて使用することができます。日本語モードでは640x480のVGAによる漢字機能をサポートしています。
  • 連文節変換機能
  • 以下の各機能を実行するコマンド
    • ファイルの作成、複写、比較、名前変更、内容表示、印刷、消去、置換、バックアップ、復元、および属性の割り当て
    • ディレクトリー構造の作成、削除、変更、および表示
    • ディスケットのフォーマット、複写、および比較
    • ディスクのフォーマット、および状況チェック
    • 下記の各システム機能
    • ドライブ割り当て
    • 画面の消去
    • システム時刻・日付の設定
    • 特別な、または繰り返しの作業を実行するためのバッチ・ファイルの作成
  • EMM386メモリー機能
  • 全画面ユーザーシェル
    • プログラムの始動や操作、印刷出力、およびファイルやディレクトリーの管理を全画面のメニューから選択して実行できます。
    • DOSシェルを使って、アプリケーション実行用のユーザー独自のメニュー・パネルを作成することができます。
  • 導入プログラム(SETUP)
    • 全画面方式の導入プログラムにより、ハード・ディスクの区画設定、フォーマット、ディスケットの複写、ファイルの複写など、DOS導入に関する作業を簡単に行うことができます。

PC DOS J6.1/V

製品付属のライセンス情報より一部引用。

  • カーネル、メモリー・マネージャー、ディスク・キャッシュ・プログラムのパフォーマンスが向上しました。
  • スタート・アップ時のトラブル回避のためのブート・オプション機能、および複数の環境が一つのシステム構成ファイル(CONFIG.SYS)で設定できる複数システム構成機能を提供します。
  • IBM DOS J5.0/Vと非常に高い互換性を提供します。日本語Microsoft Windows V3.1をはじめとしてほとんどのJ5.0/V用アプリケーションがそのまま稼働します。
  • PC DOS 6.1 の機能が、日本語モードはもちろん英語モードでも利用できます。
    • ディスクをより有効に利用するディスク圧縮ツール
    • 基本メモリーをより広く開放するメモリー最適化ツール
    • ディスク上のファイルを高速にアクセス、ディスク最適化ツール
    • 1,500種以上のウィルスの検出と除去を行うアンチウィルス
    • テープもサポートするCentral Pointバックアップ
    • 複数ファイルを同時オープンできるフルスクリーン・エディター
    • 三種類のプロテクト方法により、より確実なアンデリート
    • LCD上でのポインターの視認性を高めたマウス
    • ノートブック型PCのバッテリーを節電するAPM機能
    • Phoenix社製のPCMCIAドライバー
    • ペンでコンピューターを操作できるPenDOS機能
  • 日本語処理機能の強化もなされました
    • V-Textの標準サポートとVGA用のドライバーの標準提供
    • 12ドット・フォントを利用して、VGAで106桁 x 40行を実現
    • XMSインターフェースをサポートしたフォント・サブシステム
    • 26行目に入力状況域を表示させる26行モードのサポート
    • ダイナミックに切り替え可能なプリンター・ドライバー
    • Hewlett-Packard LaserJetプリンターのサポート
    • DOSV.INIファイルによるシステム環境の一元管理
    • DOSV.INIファイルを編集するためのフルスクリーン・プログラム
    • 3.5インチ、1.2MBフォーマットのディスケットをサポート
    • 32/48ドットのユーザー・フォントのサポート

PC DOS J6.3/V

PC DOS J6.3/V アップグレード 説明ファイル より一部引用。

  • 対話形式のブート機能
    • 新しい対話形式のブート機能が提供されます。この機能は、システムの初期設定時に Ctrl + F8キー の組み合わせを押すことによって、圧縮機能(DBLSPACE.BINファイル)のロードをバイパスし、さらに、CONFIG.SYS と AUTOEXEC.BAT ファイルの各行のコマンドを1つずつ確認しながら実行できます。
  • COMMAND コマンドのステップ実行
    • COMMAND.COM に新しいスイッチ(/Y)が追加されました。このスイッチを使うと、バッチ・ファイルをステップごとに実行できます。
  • コピー(移動)時の上書き警告
    • COPY、XCOPY、および MOVE コマンドで、同一のファイル名を持つファイルがコピー(移動)先に存在すると、上書きの確認メッセージが表示されます。
  • SMARTDRV 機能の拡張により、CD-ROM のキャッシングがサポートされます。
  • MSCDEXコマンドの追加により、CD-ROM ドライブの使用がサポートされます。
  • IBMアンチウィルスの機能拡張により、SatanBug、Stelboo、およびD3を含む2,000種以上のウィルスを認識できます。
  • RAMBoost 機能が大幅に拡張され、DOS=UMB のビルトイン・サポート、複数システム構成のサポートなどが実現しました。
  • E エディターに、新しく ALL コマンドが追加されました。これによって、文字列の検索機能が強化されます。
  • CHKDSK、DIR、FORMAT、および MEM コマンドで、数値を3桁ごとに区切る文字(カンマ)がつきます。
  • DEFRAG.EXE の機能拡張により、XMSメモリーを使って、より大きなハード・ディスク・ファイルも最適化できます。
  • DISKCOPY で、ディスケットを何回も差し替える必要なくなりました。DISKCOPY.COMは、デフォルト時の設定でユーザーのハード・ディスクを一時記憶域として使うので、ディスケット1枚分のデータを一度にコピーできます。
  • MS-DOSバージョン 6.2 DoubleSpace の機能拡張に伴って、PC DOS J6.3/V のデータ圧縮プログラムの機能も拡張されました。
  • CPBACKUPで次のIBMテープ装置が新たにサポートされます。
  • V-Textでの拡大テキスト・モードのサポート
    • V-Text 機能の拡張として、拡大テキスト・モードがサポートされます。このモードでは、VGA上で、24 または 32 ドット・フォントの文字を表示することができます。
  • QCONFIG 認識できるシステムやアダプター・カードの種類が増えました。
  • マケドニアとセルビアのキーボード配列が新たにサポートされます。(英語モードのみ)

PC DOS J7.0/V

日本IBMのサイトより一部引用。

  • メモリー・サイズを削減し、もっと軽やかに
    • メモリー・サイズを削減し、さらに軽快な環境を実現しました。アプリケー ションに多くのメモリー空間を割り当てることができ、日本語Microsoft Windows バージョン3.1を使用する場合にも威力を発揮します。
  • オンライン・ヘルプで初心者も安心
    • 「PC DOS J7.0/Vコマンド解説書およびメッセージ集」「REXX言語解説書」をオンライン化しました。DOSコマンドやREXXコマンド、あるいは エラー・メッセージのヘルプなどを、PC DOS Viewerを用いてオンラインで参照できます。また、PC DOS Viewerはフルスクリーンのユーティリ ティー。検索機能やハイパーリンク機能も備えています。
  • プログラミング言語、REXXを提供
    • 多様な要求に対応し、かつ使いやすい構造化プログラミング言語であるREXXを提供。初心者でも簡単にプログラミングできます。また、経験を積んだユーザーに対しては強力な機能を提供します。
  • きわめて高い互換性を維持
    • 日本語Microsoft Windowsバージョン3.1をはじめとして、ほぼすべてのPC DOSアプリケーションをそのまま稼働できます。
  • ディスク圧縮ツール、Stacker4.0
    • ディスク圧縮ツールとして定評あるStacker4.0を提供。前バージョンで採用したSuperStore/DSはもちろん、MS-D0SのDouble SpaceやDriveSpace、あるいは旧バージョンのStackerで圧縮したディスクをStacker4.0のフォーマットに変換できます。
  • モービル・コンピューティング機能を充実
    • 2つのシステム間でファイルの同期を行うファイル更新ユーティリティーを装備。モービル・コンピューターでアップデートしたファイルを、デスクトップのコンピューターに確実にコピーしたい時などに威力を発揮します。さらにモービル・コンピューティングに対応して、新たな機能を追加・ 拡張。たとえば、ドッキング・ステーションの着脱を検出し、デバイス・ドライバーを動的にロードできます。
  • さらに機能を強化、Eエディター
    • 使い勝手のよいEエディターを機能強化しました。メニュー選択などのマウスのサポート、ブラウズ(読み取り専用)モード、INIファイルによるカスタマイズなど、さまざまな機能を追加しています。
  • この他にも次のコマンドやユーティリティーについて機能拡張を実現しています。

PC DOS 2000 日本語版

日本IBMのサイトより一部引用。

  • IBM PC DOS 2000 日本語版は、従来のPC DOS J7.0/Vに加えて、以下のような機能をサポートします。
    • 西暦2000年に対応。(※1)
    • ユーロ通貨記号のサポート(※2)をします。
    • 2001年1月31日までのプログラム・サービスを提供します。
    • 2000年非対応BIOSを使用したPC(※3)でも、世紀バイト(年号4桁上2桁)を自動変更します。
  1. 弊社の西暦2000年対応製品は、ある製品がその製品の説明書にしたがって使用された場合に、西暦2000年の前後にわたり日付データの処理、引き渡し、また受け取り(あるいはそれらすべて)を正しく行うことができます。ただし、その製品とともに使用されるすべての製品(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェア)が正確な日付データをその製品と正しく交換できることが条件となります。
  2. ユーロ通貨記号のサポートは、英語版および日本語版の英語モードで、コードページ850を指定した場合に利用できます。
  3. この場合におけるBIOSが2000年非対応とは、『1999年から2000年に変わった時にCMOS上の世紀バイト(年号4桁上2桁)が更新されずに”19”のままになるもの』を示します。したがって、年バイト(年号4桁下2桁)を正しく更新しない場合、世紀バイトに”19”,“20”以外の数字を書き込む場合などを除きます。

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