Image: 210425 VN『つよきす 3学期 Portable』(2012年) 感想

PSP用ビジュアルノベル『つよきす 3学期 Portable』(CandySoft & revolution / 2012年)の感想。

昨日は遅番出勤のために、仕事行きたくないと眠い目をこすりつつ、いつも通り午前11時過ぎに電車に乗ったんだけども、電車に乗り込んだ瞬間思わず車内を見渡してしまったね。休日の昼間とは思えない陰鬱な雰囲気に、思わず背筋がゾッとして逆に目が覚めてしまった。まあよく見てみれば、みんな携帯触ったりひそひそ話したりしていたんだけど、親子連れや年寄りは少なくなった。4月上旬までの活気はどこへやらだが、この時勢だから仕方ないか。

この作品のOP主題歌がKOTOKOの『Love mission!! ~なんだ。ただの恋かw~』という曲なんだけども、こういうひたすら前向きな曲は良いですね。SHORT CIRCUITやティンクルのアルバムでI’veサウンドは知っていたけども、この曲も気に入って、これはコンプリートボックス『The Bible』を買うしかないと思った。後悔はおろか、知った時点でもっと早く買っとけば良かったと思ってる。

Image: つよきす 3学期 Portable


つよきすシリーズの特徴を○○系に当てはめるとしたら、間違いなく日常系だろう。シナリオに日常描写を採り入れるのはギャルゲーの基本であり、その数はありふれているが、作中で日常が恋愛その他以上のウェイトを占める作品はそう多くない。マジ恋や恋春はその系統に当てはまるかもしれないが、それでもつよきすに比べるとヒロインに一定の特色がある。

私は日常系は好きじゃないけどコメディが多少絡むなら好きだった。『らき☆すた』『GJ部』は何回か見た気がする。『生徒会の一存』は原作とアニメの両方一通り見たけど、そう何度も読み返すような作品ではなかった。つよきすは10数年前にアニメを見てから原作もプレイした気がするが、どちらも内容は全然覚えていない。評判に反して期待外れだったという印象はぼんやり残っているのだが、もしかするとエアプレイかもしれない。でも、キャラクターはちゃんと覚えている。

キャラクターやヒロインを知らずにいきなり『3学期』から始めて大丈夫かという疑問だが、これは全然問題ない。ストーリーは何かの続きから始まるわけではなく、完全に独立している。むしろ初見向きのストーリーと言え、シリーズ既プレイ者が楽しめるのか疑問がある。

シナリオ

ヒロイン選択シーンのルート分岐まで、全体の7割くらいが日常パートで占めている。各ヒロインと平等な関わりを通して知っていくという過程であり、ギャルゲーでは定番の構成だった。最近は作品紹介やオープニングにヒロインの特徴を詰め込んで紹介しておいて、ゲーム内では早い段階でヒロインの選択を出すものが増えている。ギャルゲーで言えば、『アマガミ』はヒロインとの出会いやコミュニケーションを重視した代表例。エロゲーで言えば、HOOKやGIGAはその傾向に進んでいる。逆に、ゆずやサガプラはトラディッショナルなスタイルだろうか。これはシナリオが主人公目線か、プレイヤー目線かという違いも大きい。私としては目線がどちらであってもいいのだが、冗長な日常パートはすっ飛ばしたい。ゆずみたいな起伏あるシナリオなら読めるかな。つよきすは、やはり、それほど面白くなかった。

Image: つよきす 3学期 Portable

ヒロイン個別ルートはちゃんと恋愛を描写してあり、順当なギャルゲー展開になっている(説明になってない…)。と言っても「強気す」のタイトル通りクセが強いヒロインばかりなのだが。その中にただ一人、主張が控えめの清楚、淑女、委員長の3拍子が揃った「まともな」ヒロイン 佐藤良美がいる。

最初は蟹沢きぬのルートをやってみて、まあ「悪くはなかったが、良くも悪くも期待の範囲内だった」という感想を持っていたのだけど、ふと佐藤良美のルートをやってみたら、強烈なカウンターを受けましたね。ネタバレ回避のためあまり深くは語らないが、まさかヤバいスイッチが備わっているとは思わなんだ。

一応フォローしておくと、きぬが主人公を意識し始めた時は寝坊せずしっかり起きれるようになったのに、付き合い始めてからわざと寝坊するようになったところはかわいかった。また、主人公を含む幼馴染み4人組の関係性は「憧れの青春」そのもので、心が温まった。この問題は避けては通れないだろうから、どう解決するのか気になっていたけども、主人公もスバルも互いの思いやりが深かったのと、鮫氷の存在も幼馴染みのグループにとって支えになり、衝突は回避された。男グループが主人公とスバルの2人だけだったら、こういう描写は成り立たなかった。

グラフィック

当時の水準ではこの画風はよくあるものだったと思うけど、最近の作品と比べると背景や演出も含めてあらゆる面に世代差を感じる。

minoriは2006年の時点であの凄まじいクオリティの作品を作ったし、つよきす3学期と同時期の作品で比較しても、ゆずソフトの『のーぶる☆わーくす』とかFAVORITEの『いろとりどりのセカイ』とか、今と見劣りしないCGを作っている。

一つ気になったのは、CG鑑賞で各ヒロインとその他の分類があるのだが、明らかにヒロイン別に分けるべきCGがその他に多く分類されている。何なら、ヒロインのキス顔もその他に含まれている。これは明らかにおかしい。

総評

OP、EDテーマは良かった。私はこの作品の見どころはそこで終わったと思ったが、ヒロイン個別ルートに関してはまあ悪くなかったと思う。(2021/04/26完了、No.83)


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