1066×725解像度とATLASビデオモードの謎 [PS/55]
![Image: 1066×725解像度とATLASビデオモードの謎 [PS/55]](/blog/img/2025/ps55-1066725_1.webp)
時期的にそろそろ部屋を片付けないといけないこともあって、エミュ開発とこの遺物達とはそろそろ決別したいところだが、PS/55についてどうしても解消できていない疑問が一つある。
マルチステーション5550や一部のPS/55の仕様表を見ると、テキストモードの画面解像度として「1066×725ドット」と書かれていることがある。24ドットフォントの各文字のサイズは半角で13×29ピクセル、全角で26×29ピクセルなので、これは半角で82字×25行、全角で41字×25行ということになる。しかし、私は今までにこの画面サイズで動作するソフトウェアを見たことがない。
J-DOSのシステムファイルにあるビデオパラメーターテーブル(ディスプレイ・アダプター自身はカード上にBIOS ROMを持たない)を調べても、そのような画面サイズは使われていない。以下はその調査結果。
MCA機用DOS J4.0が使用する画面モード。
- 1040×725、テキスト(モード 02, 08, 0Eh)
- 1040×754、テキスト(モード 03, 43, 45h?)
- 1024×768、グラフィック(モード 0Ah, 0Dh)
- 1040×768、グラフィック(モード 45h?, 46h)
5550機(モデル5540-M/P)用DOS K3.4が使用する画面モード(モード番号は未調査)。
- 1040×725、テキスト
- 1024×768、グラフィック
- 725×525、テキスト
- 720×512、グラフィック
DOS K3.4のBASICインタープリターのマニュアルを読んでみるが、そのような画面モードは存在しない。
唯一の手がかりはOS/2 DDKのコードに見つかった。VDHDATA.Hの Video Mode Table に以下のように書かれている。
VIDEOMODE Modes[] = {
// 0 CO80 3+ Emulation Mode
{ 14, 1, 4, 80, 25, 720, 400, 0, 1, MemMap_ATLAS, ATLASUS_Format, HW_DBCS_VGA },
// 1 CO80 3* Emulation Mode
{ 14, 1, 4, 80, 25, 640, 350, 0, 1, MemMap_ATLAS, ATLASUS_Format, HW_DBCS_VGA },
// 2 CO80 3 Emualtion Mode
{ 14, 1, 4, 80, 25, 640, 200, 0, 1, MemMap_ATLAS, ATLASUS_Format, HW_DBCS_VGA },
// 3 MONO 7+ Emulation Mode
{ 14, 0, 0, 80, 25, 720, 400, 0, 1, MemMap_ATLAS, ATLASUS_Format, HW_DBCS_VGA },
// 4 MONO 7 Emulation Mode
{ 14, 0, 0, 80, 25, 720, 350, 0, 1, MemMap_ATLAS, ATLASUS_Format, HW_DBCS_VGA },
// 5 ATLAS Common Mode
{ 14, 1, 4, 80, 25, 1040, 725, 0x70, 3, MemMap_ATLAS, COMMON_Format, HW_ATLAS },
// 6 ATLAS Color 82x25 Mode
{ 14, 1, 4, 82, 25, 1066, 725, 0, 3, MemMap_ATLAS, ATLAS3_Format, HW_ATLAS3_C },
// 7 ATLAS Mono 82x25 Mode
{ 14, 1, 1, 82, 25, 1066, 725, 0, 3, MemMap_ATLAS, ATLAS3_Format, HW_ATLAS3_M },
// 8 EPOCH Mono Mode
{ 14, 1, 1, 80, 25, 1040, 725, 1, 1, MemMap_ATLAS, EPOCH_Format, HW_EPOCH_M },
// 9 EPOCH Mono Mode
{ 14, 1, 1, 80, 24, 1040, 696, 1, 1, MemMap_ATLAS, EPOCH_Format, HW_EPOCH_M },
// 10 EPOCH Mono Mode
{ 14, 1, 1, 80, 24, 1040, 725, 1, 1, MemMap_ATLAS, EPOCH_Format, HW_EPOCH_M },
// 11 EPOCH Color Mode
{ 14, 1, 4, 80, 25, 1040, 725, 1, 1, MemMap_ATLAS, EPOCH_Format, HW_EPOCH_C },
// 12 EPOCH Color Mode
{ 14, 1, 4, 80, 24, 1040, 696, 1, 1, MemMap_ATLAS, EPOCH_Format, HW_EPOCH_C },
// 13 EPOCH Color Mode
{ 14, 1, 4, 80, 24, 1040, 725, 1, 1, MemMap_ATLAS, EPOCH_Format, HW_EPOCH_C }
};
ここで、Epoch(エポック)はマルチステーション5550のコードネームであることと結びつく。Atlas(アトラス)はディスプレイ・アダプター(初代を除く)のコードネームではあるが、妙だ。別のヘッダーファイルによれば、このモードのより正式な名前は ATLAS 3 bytes Format というらしい。これはJ-DOSのセットアップ画面やFD(ファイラー)などで使われるVGAモード3互換の画面モードに似ているが、そちらは ATLAS U.S. Format というモードが既に別に存在しているので、となると、ATLAS 3 bytes Formatというのは未知の画面モードということになる。
ここにようやく「1066×725」が出てくるのだが、その用途は不明のままとなっている。5550時代にDOSじゃない文書プログラムや端末エミュレーター、特注のソフトウェアで使われていたとすると、その互換モードとするには名称に疑問が付く。いずれにせよ資料が乏しく、現状は憶測を挙げることしかできない。