今まで数多くの様々なPCを再セットアップしてきた。もちろんそれぞれでWindows Updateの全てのアップデートを適用した最新の状態にまでできればそれに越したことはないのだが、時間の都合でなかなかそこまで手が回らない。SP+メーカーというツールがあることは知っているが、このツールは万能ではなく、また正規の方法から少し外れるので、あまり使いたくない。作業を自動化したところで、PCの性能次第では更新プログラムの適用そのものにかなり時間がかかる。

そこで、手っ取り早くXPを実用的な環境に仕上げる手順を書いておく。まあ、もうすぐXPのサポートが終了する中でこんなテクニックを活用する場面は今後ないかもしれないが。

PCをリカバリー(工場出荷時の状態に戻す)する

リカバリーの手順は機種(主にメーカー)によって異なり、次のような種類がある。

  1. リカバリーイメージがHDDに収録されていて、PCの電源オン時に特定のキー・ボタンを押すことでリカバリープログラムを起動するタイプ。(DELL、NEC、東芝、ソニー、レノボなど大手PCメーカー。富士通のXP後期の一部モデル。)
  2. リカバリーイメージはHDDに収録されているが、PC付属のリカバリーCD/DVDからリカバリープログラムを起動するタイプ。(SOTECなど一部のPCメーカー。)
  3. PC付属のCD/DVDにリカバリープログラム・データが収録されていて、リカバリーCD/DVDからリカバリープログラムを起動するタイプ。(Acer、富士通。1.と4.に該当する機種で、あらかじめリカバリーディスクを作成した場合。)
  4. Windows XPのインストールCDとPC付属のドライバーCDを使って、自作PC同様のインストール作業を行うタイプ。(DELL、マウスコンピューターなどのBTOパソコン。)

DELLの場合は1.と4.の両方の方法が用意されている場合がある。一度4.の方法で再インストールを行うとHDDのリカバリーデータが消えるので、以後1の方法は取れない。リカバリーデータを消す前であればリカバリーCD/DVD(WindowsのインストールCDやドライバーCDとは別物)を作ることができるので、HDDを交換する必要があるなら3の方法をとることでリカバリー作業が楽になる。

システムの復元を無効にする

システムの復元が有効だとソフトや更新プログラムのインストールで余分に時間が掛かるので、作業が終わるまでは無効にしておく。

Winキー+Pauseキーで「システム」画面を表示させて、「システムの復元」タブから「システムの復元を無効にする」にチェックを入れる。

セキュリティーソフト、オフィスソフトを削除する

プリインストールされているNortonやMcAfeeなどのセキュリティーソフトは古いバージョンなので一度アンインストールしておく。Microsoft OfficeやKingsoft Officeなどは使わないのであればアンインストールする。

Windows XP SP3をインストールする

先ほどのシステム画面で「Service Pack 3」の表記がない場合はSP3をインストールする。ただし無印の場合はいきなりSP3にアップデートすることはできないので、SP2をインストールしてからSP3をインストールする。

Windows XP SP2オフラインインストーラー
WindowsXP-KB835935-SP2-JPN.exe
Windows XP SP3オフラインインストーラー
WindowsXP-KB936929-SP3-x86-JPN.exe

(2016/02/08追記)現在、上記リンクが切れている。Microsoft Update カタログ(http://catalog.update.microsoft.com/)からはまだダウンロード可能。ここで「XP Service Pack」と検索して出てくる。

Internet Explorer 8をインストールする

Windows XP 用Internet Explorer 8
IE8-WindowsXP-x86-JPN.exe
Internet Explorer 8 for Windows XP 用セキュリティ更新プログラム 2014/04/07版(MS14-018)
IE8-WindowsXP-KB2936068-x86-JPN.exe
Internet Explorer 8 for Windows XP 用セキュリティ更新プログラム 2014/05/01版(MS14-021)
IE8-WindowsXP-KB2964358-x86-custom-JPN.exe

IEだけセキュリティ更新プログラムを先にインストールする理由は、セキュリティ面もあるが、Windows Updateの検出処理に時間が掛かる問題を回避するためでもある。

セキュリティ更新プログラムは毎月第2週頃に更新されている。2014年4月現在は上記リンクよりダウンロード・インストールする。それ以降はこちらのページから最新のセキュリティ情報を参照すること。なお、2014年4月のXPサポート終了後はXP向けIEのセキュリティ更新プログラムも更新されない。

最新のドライバー・ソフトウェアを入手・インストールする

ネットワーク、サウンド関係のドライバーはPCメーカーやマザーボードメーカーのサイトから入手する。RAID、グラフィック関係のドライバーはチップメーカーのサイトから入手する。

Flash Playerをインストールする

オンラインインストーラー
Adobe Flash Playerのインストール

Flash Playerのインストーラーはたいしたサイズではないので、オフラインインストーラーを使う必要性は薄い。(というかそもそも個人ユーザー向けにはオフラインインストーラーが提供されていない)

Adobe Readerをインストールする

オンラインインストーラー
無償の PDF ビューア、Adobe Reader のダウンロード
オフラインインストーラー (Adobe Reader XI 11.0.10 Japanese)
AdbeRdr11010_ja_JP.exe

ここまでの作業を済ませればネット閲覧のための必要最低限の環境は整ったことになる。ただネット閲覧にはIE8でも今となっては古いので、ChromeやFirefoxなど他のブラウザソフトを使うことを勧める。まだ適用していない更新プログラムは、急いでインストールせずとも自動更新で適用していけばいい。


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