IBM PCおよびその互換機のFDDインターフェイスのピン割り当てについて。

○ 各項目共通の説明

  • Pin - ピン番号(特に記載がない限り奇数番号のピンはグラウンド。)
  • Name - 信号名(信号名の前に"-"が付く信号は反転。)
  • Dir - 左をインターフェイス、右をドライブとした信号の向き。
  • Description - 説明

フロッピーディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、ディスケット、はそれぞれ同義で一般名称はフロッピーディスク(FD)。ここでは字数の都合でFDに統一する。

○ 電源ピン配列

FDDの電源ピンは4ピンで、ドライブ側端子の山を上に、差し込み口を奥にした場合、5.25インチFDDは左から+5V,GND,GND,+12V、3.5インチFDDはその逆になっている。通常、ケーブル側は+12Vが黄色、+5Vが赤色に着色されている。端子は5.25インチFDDの場合は「Molex」や「ペリフェラル」、3.5インチFDDの場合は「Berg」や「FDD電源」と呼ばれる端子が使われている。初期の製品を除き3.5インチFDDでは+12Vを使用しないため、システムによっては12Vが結線されていないことがある。
Image: FDD power connector

○信号ピン配列(インターフェイスおよびドライブ側)

5.25インチFDD接続用端子(34ピンカードエッジ)
2, 4, 6,..., 34
5.25-inch FDD connector(34 pin cardedge)
1, 3, 5,..., 33

3.5インチFDD接続用端子(34ピン端子オス)
2, 4, 6,..., 34
3.5-inch FDD connector(34 pin IDC)
1, 3, 5,..., 33

○ 接続方法について

5.25インチ、3.5インチFDDケーブルの接続方法 [PC/AT +4]

○ IBM PCおよびPC/XT用 5-1/4" Diskette Drive Adaputer インターフェイス側(34ピンカードエッジ)

IBM純正FDアダプターは制御ICとしてPC98と同じ"NEC μPD765"やその互換品"Intel 8272"を採用していた。後のPS/2でも"Intel 82077AA"などを搭載してソフトウェアの互換性を確保している。
初代IBM PC用Diskette Drive Adapterのみ、外付けでドライブを2台増設することで内蔵ドライブと併せて最大4台まで使用できる。
こちらにアダプターの写真が掲載されている。

Pin Name Dir Description
2 n/c - Reserved
4 n/c - Reserved
6 n/c - Reserved
8 -INDEX Index
10 -MOTA Motor Enable A
12 -DSB Drive Select B
14 -DSA Drive Select A
16 -MOTB Motor Enable B
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 n/c - Reserved

※Pin 10-16のケーブルのひねりについて

Pin 10-16はケーブルの中間にある端子(ドライブB用)と末端にある端子(ドライブA用)の間で捻転している。
そのためどちらの端子につなぐ場合でも、ドライブ側は2台目(DS1)に設定すればよい。
この仕様は後継機やIBM互換機にも引き継がれている。

Pin インターフェイス側 = 端子B X 端子A ][ ドライブ側
10 Motor Enable A = -MOTA X -MOTB ][ (-DS0)
12 Drive Select B -DSB -DSA -DS1
14 Drive Select A -DSA -DSB (-DS2)
16 Motor Enable B -MOTB -MOTA -MOTOR

○IBM PC 5.25インチ2DFDD ドライブ側(34ピンカードエッジ)

Pin Name Dir Description
2 n/c - Reserved
4 n/c - Reserved
6 -DS3 (Drive Select 3)
8 -INDEX Index
10 -DS0 (Drive Select 0)
12 -DS1 Drive Select 1
14 -DS2 (Drive Select 2)
16 -MOTER Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 n/c - Reserved

前述のケーブルの捻転によりPin 6(DS3), 10(DS0), 14(DS2)はIBM PC系では使用しない。
つまりドライブ選択にはPin 12(DS1)と16(MOTER)だけを用いる。

○ IBM PC/AT Fixed Disk and Diskette Adapter インターフェイス側(34ピン端子オス)

IBM PC/ATの固定ディスクおよび5.25インチ2HCFDD用インターフェース。
IBM互換機の3.5インチ2DD/2HD(/2ED)FDDのインターフェイス側ピン割り当てとしても標準的に使われている。

Pin Name Dir Description
2 -DEN High Density Select
4 n/c - Reserved
6 n/c - Reserved
8 -INDEX Index
10 -MOTA Motor Enable A
12 -DSB Drive Select B
14 -DSA Drive Select A
16 -MOTB Motor Enable B
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready
5 KEY x Key

Pin 5は逆挿し防止のためピンがなく、ケーブル側ではPin 5の穴が埋められている。
互換機の中にはPin 3がKEYになっていることがあり問題になった。やがて穴埋めがないケーブルが一般的になり、インターフェイス側端子のピン欠けは意味を成さなくなった。

○ IBM PC/AT 5.25インチ2HC FDD ドライブ側(34ピンカードエッジ)

3.5インチ2モードFDDのドライブ側ピン割り当てとしても標準的に使われている。

Pin Name Dir Description
2 -DEN High Density Select
4 n/c - Reserved
6 -DS3 (Drive Select 3)
8 -INDEX Index
10 -DS0 (Drive Select 0)
12 -DS1 Drive Select 1
14 -DS2 (Drive Select 2)
16 -MOTER Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready

○ IBM PS/2 3.5インチFDD ドライブ側(34ピン端子オス)

Personal System/2は増設用FDDの着脱を容易にするために40ピンカードエッジを採用した機種が存在する。
6ピン増えたのは電源供給のピンを含んだためだが、それを従来と同じ34ピン端子に統合したのがこれ。
しかし電源供給やドライブ種別検出のためのピン(Pin 3,4,6)は互換機では一般化しなかった。

Pin Name Dir Description
2 -DEN High Density Select
4 DTID1 Drive Type ID 1
6 +12V +12V DC
8 -INDEX Index
10 n/c - Reserved
12 -DS Drive Select
14 n/c - Reserved
16 -MOTOR Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready
3 +5V +5V DC

"Drive Type ID 1"は5.25インチFDDと3.5インチFDDの判別に用いる。

○ IBM互換機用 3.5インチ3モードFDD ドライブ側(34ピン端子オス)

標準的な720KB/1.44MBフォーマット(300rpm)に加え、日本国内でよく使われた3.5インチ1.2MBフォーマット(360rpm)に対応するFDDのピン割り当て。
TEAC FD-235HGの製品仕様書を元に改変。

Pin Name Dir Description
2 -MODE * Mode Select/Density
4 n/c - Reserved
6 n/c - Reserved
8 -INDEX Index
10 n/c - Reserved
12 -DS1 Drive Select 1
14 n/c - Reserved
16 -MOTER Motor Enable
18 -DIR Direction
20 -STEP Step
22 -WDATA Write Data
24 -WGATE Write Enable
26 -TRK00 Track 0
28 -WPT Write Protect
30 -RDATA Read Data
32 -SIDE1 Head Select
34 -DSKCHG Disk Change/Ready
1 n/c - n/c
3 KEY x Key
5 n/c - n/c

Pin 2は2HDディスクの1.2MB/1.44MB切り替えに用いる。2DD/2HD切り替えはドライブ側でディスクのHD検出穴から判断する。詳細は下表のとおり。
Pin 3は逆挿し防止のためピンが存在しない。

Pin Dir Signal H/L 2DD FD 2HD FD
2 2HD Density Select High Read OK 1.44MB(2.0MB)
Low Read Error 1.2MB(1.6MB)
2DD/2HD Density Mode High Low

ちなみに世界的には"3モード対応"とはFDDコントローラーが720KB/1.44MBフォーマットに加え2.88MBフォーマット(データ転送レート1Mbit/s)に対応していることを表し、大抵の場合2モードと同じピン割り当てを用いる。日本国内では720KB/1.44MB /2.88MBと720KB/1.20MB/1.44MBの両方が"3モード対応"と呼ばれて混同しているため注意を要する。
日本IBMでは720KB/1.20MB/1.44MB/2.88MB対応ドライブを"4モード対応3.5型FDD"と呼んでいた。

○ IBM互換機用 3.5インチ3モードスリムFDD ドライブ側(26ピンFFC(フレキシブルフラットケーブル)接続端子)

主にラップトップPC、ノートPCで使われた12.7mm(0.5インチ)高の3モードFDDの1x26ピン端子。
Y-E DATA YD-702J-6637Jの製品仕様書を元に改変。

Pin Name Dir Description
1 +5V +5V DC
2 -INDEX Index
3 +5V +5V DC
4 -DS Drive Select
5 +5V +5V DC
6 -DSKCHG Disk Change
7 n/c - n/c
8 -RDY Ready
9 HD OUT Density
10 -MOTOR Motor On
11 n/c - n/c
12 -DIR Direction
13 -MODE Mode Select
14 -STEP Step
16 -WDATA Write Data
18 -WGATE Write Enable
20 -TRK00 Track 0
21 n/c - n/c
22 -WPT Write Protect
24 -RDATA Read Data
26 -SIDE1 Head Select

Pin 13の仕様は上の34ピン端子3モードドライブのPin 2と同じ。2モードドライブではこのピンが未接続(n/c)になる。
Pin 9は34ピン端子のドライブとは極性が逆で、2HDディスクの時にHighになる。


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