変圧器の負荷による電圧降下
この前、変圧器端子電圧の正常値を考えたとき、変圧器自体の電圧降下についてはうやむやにしていた。というのも、変圧器の詳しい仕様が分からなくて、銘板にも一部の情報しか記載されていなかったから。しかし、変圧器の仕様なんてメーカーのサイトで調べればカタログスペックくらいは出てくるので、それを使えばよかった。
変圧器の仕様についても、資料をあさっているうちに「変圧器試験成績書」というのを見つけて、その中に変圧器の電圧変動率を含む特性について記載を見つけた。
例えば、JIS C 4306:2013(配電用 6kVモールド変圧器)に基づく500kVAの6.6kV/210V単相変圧器については、短絡インピーダンス試験及び無負荷試験として以下ように記録されている。
巻線抵抗(一次-二次)(Ω) | 短絡IZ(%) | 負荷損(W) | 無負荷電流(%) | 無負荷損(W) | 効率(%) | エネルギー消費効率(W) | 電圧変動率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0.335 - 0.000251 | 6.22 | 4020 | 0.13 | 515 | 99.1 | 1154 | 0.99 |
電圧変動率が約1%ということは、105V端子電圧で言えば、100%負荷でも1V程度の電圧降下ということか。500kVAというのは一般的な変圧器の中では大容量の方で、50kVAなどの小容量になってくると電圧変動率は2%位になる。まあそれでも、電線の電圧降下に比べたら大したことなく、この前導出した電圧変動幅は修正するほどでもないな。