240530 電気通信大学UECミュージアム [東京 調布]
電気通信大学のUECコミュニケーションミュージアムへ行ってきた。
この博物館は無線通信技術がメインではありますが、無線機は電子技術とともに発展してきた、あるいは、この博物館を見ていると、無線機のために電子技術が生まれたように感じ取れます。その電子技術の一番の応用例がコンピューターということで、このミュージアムでもいくつかコンピューターが展示されています。
開館情報(2024年5月時点)
個人であれば予約は不要で、誰でも無料で入って見られます。平日の火曜から金曜日に開館しています。
写真撮影したい場合はミュージアム入口の受付で申告する必要があります。利用目的が個人のSNSに上げる程度であれば書類記入はなく、注意書きのペラ1枚を受け取るだけです。
ミュージアムのウェブサイトに掲載されているコレクションの中には現在展示されていないものがあるので、個別に気になるものがあれば事前に問い合わせた方がいいでしょう。
交通アクセス
京王線 調布駅から徒歩15分ほど。門からずっと真っ直ぐ進んで、パラボラアンテナの右を抜けていくとミュージアムがある東10号館に着きます。
展示機
1階は無骨な無線機が並んでいます。私は1級陸上特殊無線技士の免許を持っていますが、使った経験はないのでさっぱり。機械を見る限り、ICやトランジスタがなかった時代には真空管を核とした大がかりな機械を使っていた、ということくらいしか分からないです。
2階へ上がって第2展示室。こちらはコンピューターとオーディオ機器が新旧展示されています。
カードパンチ機とHITAC 8350の操作盤。
1969年9月に日立が発売したHITAC 10というミニコン。505万円なり。
そんな高いものそうそう売れるかと思うのですが、日本のミニコンとしてはベストセラーになったようで、当時の日立の広告にHITAC 10の量産風景が載っています。写真で見えるだけで15台以上ありますね。
Computer report 1970年9月号より。
DECのミニコンや端末。中央に横向きに置かれているのはSun-4ワークステーション。
特にここら辺は整理し切れていないのか、とりあえず棚に並べた感ある。
貴重資料になり得る本が結構あって、TK-80のアプリケーション マニュアルとか、FACOM M-130(メインフレーム)やOS IVの取説とか。じっくり読みたい。電子化してくれないかしら。海外のコンピューターはマニュアルのPDFがネットに多く出回っていますが、日本のはここ数年やっとInternet Archiveで有名なレトロパソコンの本をちらほら見かけるようになった程度でしょうか。
PC-9881n(8インチFDD)の上に放ってあったPentium Pro ディベロパーズ マニュアル。金メッキのヒートスプレッダーって見ないですね。
SunやAppleのコンピューターが色々。左上に9801VMが見切れています。
コモドールPETが腹を見せている。中身はやはりスカスカ。右隣に何故かポリカーボネートモデルのMacBook(これも今や古い)が並べられている。
Intel 4004に始まる歴代CPU。右の写真外に今や見慣れないSlot 1のPentium IIもあります。
インテルのCPUが小売で出回るようになったのは486のOverDriveプロセッサーからですよね。と思ってネット検索してみると80387DXの小売パッケージが出てきたりするから、世の中分からない。埋もれている歴史の深さを感じる。
第5展示室。実際にモールス通信を体験できますが、ガイドに教えてもらわないと使えません。この時はガイドスタッフはいませんでした。
第6展示室。この部屋は大小様々な真空管が展示されています。こちらはデカトロン管。ガイドがいれば、動作実演が見られると思います。
電子部品の展示。
おっと!NECのICで品番の末尾がE。これは「ピギーバック(肩車)DIP」という奴だ!背中にICソケットが付いている。
NECのICを示すμP(マイクロパック)型番を冠する最初期の製品、μPB2B (Dual 2-input NAND) があります。1960年代の製品です。
と、目をひく展示はいくつかあったものの、必見・イチオシと言えるものはありませんでした。