200728 VN『デスマッチラブコメ!』(PS4) [3]精神バトルは異能バトルへ
PS4用ビジュアルノベル『デスマッチラブコメ!』(2020年6月 / ケムコ)をプレイ。初出2013年の移植作品で、ケムコは既に他にもいくつかノベルゲーを出していますが、私にとってはこれが初めてです。
今日は世間一般での4連休に出勤した代わりの代休でしたけど、旅行はキャンセルして、積み上げゲームの消化に暮れることにします。
全EDとEXストーリーも全部読みました(プラチナトロフィー「勝利のゴング」ふつう 52.7%)。ネタバレすると楽しみが半減するので、詳しくは書きませんけど。2週間で終えるつもりが、あっという間に1ヶ月経ってしまいました。プレイ時間はシナリオ・TIPSの振り返りやルート探し含め20時間。
「デスマッチ」に関しては、人物の黒い闇の部分が出てきたと言うより、みんな何かしらの背景や動機を持っていて、その上で行動していたというのが正しいですかね。人によって見せる大小の差はあれ、等身大の人間性を持っていたものの、家系とか外部の力とか地域特有の事情とか、個人の力ではどうにもならないこともあって、それがごちゃ混ぜに組み合わさった結果、誰にも全貌が把握できないほどの複雑でややこしい状況が生まれてしまった。関係図に何重ものレイヤーが積み重なっているので、シナリオに目を通しただけでは頭の理解が追いつきません。真相を掴むのは草むらの中から糸を探すような難しさだったけど、全員の協力と偶然の幸運が合わさって、真相にたどり着けたわけだ。
謎と真相が芋づる式に出てきて、トゥルーエンドまでいっても全てを掘り返す前に終わってしまったけども、まあ、和製ゲームは謎を残して終わるスタイルが本当に好きっすね。そこまでボリュームを伸ばす予算がないとか嘘でしょー。
「ラブコメ」に関していえば、矢木がヒロインのことをまだ十分理解していない段階で選択を迫られるのは酷だろうと最初の頃から思っていたけど、実際、とあるエンドでは矢木がそのことに気付いた上で結論を出していますね。まあそれって、結局問題を先送りしただけなんですけど。矢木が自らヒロインを選ぶエンドもあるんだけど、あれはあれでスッキリしない。
初回のレビューで「この作品にハーレム要素はない」と書いたけども、最初に告白したヒロイン2人は別として、九段志乃歌も東護美弥もワンチャンあるんじゃないかと思っている。特に美弥に関しては矢木がいじり倒すのを楽しんでいる節があるし、極めつけはEX5シナリオ。アレは期待を持たせすぎだろぉ、全く。ニクい。美弥の底知れ無さは尋常じゃないので、普通の男など「利用手段としか考えていない」とあったように、到底釣り合わない。そう考えると、現状で一番の理解者となってしまった矢木か、はたまた百合の道に進むかと言う期待は、的外れではない。まあ恋愛感情はさておき、少なくとも、志乃歌や美弥を含めた男女全員から見て、矢木は危なっかしくて見捨てておけない可愛さがあるんだろう。
当初予想していたラブコメからは随分遠回りしたけど、読んでいて没入できたし、シリアスだった話の途中でいきなりギャグが入ってこけることもあったけど、それも含めて楽しめた作品でした。(2020/07/28完了、No.74)