VMware Player 6上のWindows 95におけるソフトウェア互換性
VMware Player 6上のWindows 95で様々なソフトウェアが正常に動作するかどうか、グラフィックの互換性を中心に調べてみた。
ずいぶん前にVMware Player 5.0でWindows 95を動かすという記事を書いたわけだが、ここで作った環境でWindows 95用のソフトウェアがちゃんと動くのか。要するにVMware上のWindows 95が使い物になるのか。主にグラフィックの互換性に焦点を置いて、これまでいろんなソフトウェアを入れて検証してきた結果を記す。
ホストOSはWindows 8 Pro 64ビット版、仮想化ソフトウェアはVMware Player 6.0.0、ゲストOSはWindows 95 SP1(4.00.950a)。
DOS、Windows一般
○ 英語MS-DOSアプリケーション(16ビット) : King's Quest EGA対応版
グラフィックにEGAを使うためか、強制的に全画面モードに切り替わって動作する。BGMや効果音がビープ音で鳴るはずだが、私の環境では鳴らなかった。挙動が若干不安定で、たまにWindowsごとフリーズする。なお、ゲームを直接起動しようとすると日本語環境で実行されるので、グラフィックが映らない。一度MS-DOSプロンプトを起動してUSコマンドで英語環境に切り替えてから、ゲームの実行可能ファイルを実行する必要がある。ソフトによっては日本語環境で実行しようとするとメモリ不足で起動しないことがあるので、自分でMS-DOS起動ディスクを作って英語環境を構築する必要がある。そこまでするくらいならDOSBOXで動かした方が手っ取り早い。
○ 日本語MS-DOSアプリケーション(16ビット) : アシストワード DOS/V版
MS-DOSプロンプトでの動作は正常。罫線文字や反転表示も問題ない。ただ、カーソル移動がキー入力に遅れてリピート入力される。仮想マシン内BIOS設定画面のkeyboard auto-reepeat rateあたりを変えれば改善するかもしれない。MS-DOSプロンプト自体の挙動が不安定で、プログラムを実行できないことがある。
MS-DOSモード(日本語環境)も正常に起動した。こちらもたまにフリーズする。どうもDOS環境そのものがVMwareと相性が悪いようだ。(もしくはホストPCの環境が悪く影響しているのか。)
なお、DOSゲームについてはSB16エミュレーションが機能していないのか、サウンドが鳴らなかった。
○ Windowsアプリケーション(16ビット) : Myst 1.0J 日本語版 for Windows
こちらはWindows 3.1対応ソフト。グラフィック・サウンドとも特に問題ない。QuickTimeによる動画再生・合成も正常。読み込みや切り替えが若干遅い。どうもCD-ROMアクセスが低速に感じられる。
○ Windowsアプリケーション(32ビット) : Microsoft Word for Windows 95 (Version 7.0)
正常動作。
○ Webブラウザ : Opera 8.54
ブラウザ自体は正常に動作。ただ、大手ニュースサイトなどはレイアウト崩れが起きていて、このバージョンで閲覧できるサイトはこれからどんどん減っていくだろう。Internet Explorer 5.5はインターネットブラウザとしてはもはや使い物にならない。
ゲーム
○ Win16アプリケーション : Piaキャロットへようこそ!!2
正常動作。ただしMIDI音源の質が非常に悪い。このソフトはWindows NT系では動作しない。
○ たぶん普通のWin32アプリケーション : まじかる☆アンティーク
VMwareがCD-DAアナログ再生に対応していないので、BGMが鳴らない。また、画面モードとして16ビットカラーをサポートしていないためか、フルスクリーンで起動できない。
○ DirectX 5(DirectDraw(ddraw.dll) + DirectSound(dsound.dll))を使用するゲーム : ニード・フォー・スピードII
ゲームのインストールは成功したが、起動しようとすると「Abort message: checkwindow - BAD WINDOW FIELD 'id'...」というエラーメッセージが出て起動しない。
○ DirectX 5(DirectDraw + DirectSound)を使用するゲーム : ウィザーズスター2nd
正常に動作。動きもスムーズ。このソフトはWindows NT系では動作しない。
○ DirectX 6対応ゲーム : かのっしゅ
動作に必須なHigh Colorモード(16ビットカラー表示)をサポートしていないため、正常に表示されない。
○ DirectX 6対応ベンチマークソフト : 3Dmark99 MAX
インストールは成功したが、起動しようとすると「動作にはDirectX 6互換3Dアクセラレーターが必要」というメッセージが出て起動しない。
○ DirectDraw/DirectSoundを使用するゲーム : ANGERAZE
全画面モード(512x384ドット)は正しく表示されない。
ウィンドウモードで正常に動作。たまにカクつくことがある。
○ WinG/DirectX対応ゲーム - NekoFlight
DirectX表示に切り替えようとすると「DirectDraw Error DDERR_NODIRECTDRAWHW」というエラーメッセージが出て終了する。WinG表示では正常動作。
○ 画面モードのサポートについて
Windows上で設定可能な最小画面解像度は640x480、最大画面解像度は1600x1200。設定可能な色深度は16色、256色、32ビット(True Color)。
解像度は結構な大きさまで拡大できるが、あまり大きくしすぎるとVRAMを使用するアプリケーションが動かなくなる。
色深度16ビット(High Color)には対応していないので要注意。VMware上のWindows 95ではDirect3Dを必要とするソフトはまず動かない。2Dゲームでも動作しないものがあるということは知っておくべきだろう。グラフィックに関わらないソフトウェアであればまあまあ使いようがある環境だと思う。
混同無きように書いておくと、(VMware上の)Windows XPならCD-DA再生、16ビットカラー表示、Direct3Dのいずれにも対応しているので、XPで動くソフトはそちらで動かした方がいい。
検証と言ってもじっくり調べたわけじゃないんだけどね。今のところ実機があるから自分にとってその必要性が薄い。
10/2 B2 U730 R1.2