Image: 東芝 J-3100ラップトップPC(初期型)を分解する

連休中に東芝J-3100パーソナルワークステーションというラップトップパソコンを分解する機会がありましたので、メモっておきます。と言っても海外には熱心なTシリーズファンがいて、T3100のMaintenance Manualがほぼその通りだったりするので、そちらを見た方がいいでしょう。今回扱うのはJ-3100シリーズの中でも橙色プラズマディスプレイ (PDP) が搭載されている初期型です。

部品の取り外し手順

部品は次の手順で取り外すことになっています。すなわち、下にある部品ほど交換・整備するのが大変になるということです。

  • プラズマディスプレイ
  • 本体上部カバー
  • キーボード
  • 電源ユニット
  • HDDコントローラー基板
  • HDD・FDD支持ユニット
  • メイン基板(マザーボード)

最初のプラズマディスプレイを取り外すのが至難です。一応、ディスプレイを取り外さなくてもHDD・FDDの取り外しまではできますが、ディスプレイを付けたままだと上部カバーが邪魔になり、ケーブルや端子に負担を掛けずにやるのが難しいです。ディスプレイケーブルはメイン基板側の端子が(おそらく)圧着端子で直付けしてあるので、ディスプレイ側から端子を外さないとメイン基板とディスプレイを分けることができません。

プラズマディスプレイ 画面枠カバー取り外し

LEDインジケーターのプレートにカッターナイフ等を入れ込んで剥がします。

Image: J-3100 LEDインジケータープレート取り外し

プレート裏のビス留め2本を外すとケーブルが見えますが、この状態からケーブルを外すことはできません。下の写真は電源が入っていますが、電源は切ってコンセントを抜いた状態で作業してください。

Image: J-3100 LEDインジケータープレート取り外し

ディスプレイの両サイドに2箇所、上辺に4箇所ツメで引っかけてあるので、マイナスドライバー等を差し込んでツメをかわして外します。

Image: J-3100 LEDインジケータープレート取り外し

この後、四方のビスを外してディスプレイパネルとコネクタを外し、ヒンジ部分のビス留めと部品を外してようやくディスプレイカバーまでユニット丸々外せるのですが、面倒なのでディスプレイユニットを外すのは諦めました。

(2018/05/18追記)後日、再度分解する機会があったのでディスプレイの取り外しまでやってみました。時間は少し掛かりましたが、思ったより難しくありません。

プラズマディスプレイパネルの四方のビスを外してパネルを取り外します。パネル製造はおそらく松下電子部品か松下通信工業。

Image: J-3100 ディスプレイパネル取り外し

ヒンジのビス留めを外します。ディスプレイユニットが外せるようになります。

Image: J-3100 ヒンジ取り外し

ケーブルを通しているパーツを外して、ケーブルを横にずらし抜き取ります。本体上部カバーが外れます。

Image: J-3100 ネック取り外し

内部全景はこんな感じ。

Image: J-3100 内部

本体側上部カバーの取り外し

キーボードとメイン基板上のCMOSバックアップ電池はディスプレイを外さなくても取り外せます。

本体裏面の5箇所のビスと裏側面の3箇所のビスを外します。本体裏面の内、2箇所のビスはキャリーハンドルの裏に隠れているためこれを引き出さないとアクセスできません。

キーボードの両サイドにツメがあるのでこれをうまいこと交わしながらカバーの上半分を上に引っ張り上げます。

こちらはキーボードを引き出した時の写真です。

Image: J-3100 キーボード取り外し

キーボードの取り外し

キーボードの直下にある金属プレートを留めているビス2箇所を外します。メイン基板が半分だけ(正確にはROM・RAMサブ基板か?)見えるようになります。CMOSバッテリーの交換はこの状態でできますね。

Image: J-3100 キーボード取り外し

フレキシブルフラットケーブルの端子ロックを解除して引き抜きます。ロック解除は端子の細い黒枠を引き外すだけです。

電源ユニットの取り外し

電源ユニットを取り外すにはシールドカバーのビス2本と電源ユニットを留めているビス(基板上に5本とシャーシを固定するビス何本か)を外す必要があり、苦労します。ディスプレイを付けたまま作業するのはなかなか大変です。下の写真は電源ユニットのシールドカバーまで取り外したところです。

Image: J-3100 電源ユニット取り外し

電源ユニットを外すとHDコントロールサブ基板が見えます。この基板は必ずしも外す必要はなく、HDD・FDD支持ユニットを固定する2本のネジを外せばHDD・FDDにアクセスできます。

せっかくなのでHDDをケースから出してみました。この金属ケース、厚さもさることながら裏に3箇所と側面に4箇所のビス留めで全方向シールドされており、がっちりした装備という印象でした。でも軽量化を考えると重装備にも程があるような。HDDは日本ビクター製の20MBで、インターフェイスはST-506 26ピンです。ST-506 HDDの代替品は部品単体での入手は国内外とも壊滅的です。部品取りできるものをうまく見つけて回収するしかありません。そもそも3.5インチ26ピンST-506というのがレアみたいです。

Image: JVC JD3824R00-1

ちなみにFDDはEPSON製SMD-220。1.44MBフォーマット非対応の2HDタイプと思われます。インターフェイスは電源・信号線兼用の26ピンケーブルです。自社製品でないのはコストダウンのためか供給の問題か。

このマシンはCMOS電池(東芝製ER6V 3.6V)が切れているようなのでそれを交換したいのですが、この部品はメーカー製造・補修用部品としてのみ供給されているようで、一般に市販されているものではないようです。日本で販売されているものは2000円以上しますが、ebayなら最安値は送料込み700円のものがあります。もっとも、TOSHIBAのラベルを剥がしたら違うラベルがあるかもしれませんけど。


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