Image: 210509 同人STG『かのっしゅ』(2001年) クリア感想

2001年に同人サークル「GC-maple」からリリースされたWindows用対戦STG『かのっしゅ』をプレイ。元ネタのティンクルスタースプライツ (PS4アケアカNGEOGEO版 / ハムスター / 2018年)の簡易レビューも含みます。

先月、PS3用PSストアのサービス終了が撤回される前、シューティングゲームをまとめ買いしていたんだが、その中にティンクルスタースプライツ (TSS) が入っていて、それを見てこれを思い出した。

どんなゲーム?(ゲーム紹介)

当時は定番だったKey作品 (Kanon、Air) の二次創作STG。ティンクルスタースプライツ(1996年にアーケードゲームとして稼働開始)似の2人対戦型2D縦スクロールシューティング。自分の画面内に出てくる敵をショットで打ち倒すことで、相手に妨害敵(攻撃ザコ)を送り込み、怒濤の敵を送り込んで相手を接触ミスさせることが目標となる。TSSは同人ゲームの東方花映塚の元ネタとしても知られるが、基本的なシステムは3つとも同じ。

TSSはパーフェクト撃破でチャージアタックのゲージを上げていって、ゲージ最大時(レベル3)のチャージアタックで相手にボスを送り込む。東方花映塚はこのゲームシステムを踏襲している。

一方、かのっしゅはゲージにレベルの概念がなく、常時は満タンの状態になっている。ゲージが貯まっている状態であれば直ちに強力なためショットを撃てる。連爆という概念がないかわりに、連鎖を積み重ねることでぷよぷよのようにアタックが貯まり、その量によって強力な妨害敵となるハイパーアタックやボスアタックになる。ハイパーアタックを送り返すと相手に破壊不能の壁(1キャラ分)が配置される。たった1キャラ分の壁とは言え、ハイパーアタックの的が大きい分ためショットでの破壊も容易で、バトルの後半は大量のアタック送り返しで壁が立ち並ぶことになる。

Image: かのっしゅ

Image: かのっしゅ

公称の動作環境はPen2 233MHz以上、Windows 95、98、DirectX 6.2以降(6.2というバージョンは公に存在しないので、間違いか)。配布媒体はCD-ROM。10年くらい前に中古で購入したものだが、元々はXPが発売される前の同人ゲームときくと、本当に古(いにしえ)のソフトという感じがする。

動作環境の注意点

このゲームは動作環境に制約が多く、Windows 98現役当時なら問題なく動いただろうけど、XP普及期以降のPCで動かすにはいくつか問題がある。XPでは画面モードの制約とハードウェアアクセラレーションの設定さえ解決すれば動作するだろうが、Vista以降ではCD-DA再生や画面モードの制約からプレイするのは難しいと考えられる。

CD-DA再生

BGMはCD-ROMにオーディオトラックとして収録されていて、ゲームプレイ中はCDドライブでBGMを再生する仕組みになっている。Windows 98以前や低スペックのPCではCDドライブとサウンドカードをケーブルで接続する必要がある。98SEであれば、デジタル音楽CD再生を有効にする。

640×480、16ビットカラー

動作には640×480、16ビットカラーの画面モードが必須で、対応していない場合は表示が崩れた状態で起動する。XP以降の比較的新しいグラボ、ノートPCのグラフィックチップセットや、VMwareなどのエミュレーターでは、16ビットカラーの画面モードをサポートしていない。

DirectX 8.0以降で発生する不具合

Windowsのバージョンにかかわらず(Windows 95や98も含む)、DirectX 8.0以降がインストールされていると表示崩れが発生する。この問題は設定変更で解決できる。

デスクトップを右クリックしてプロパティ→設定タブのプロパティを開き、パフォーマンスタブで「ハードウェアアクセラレータ」のスライダーを「アクセラレータ(基本)」に変更する。

Image: かのっしゅ

Pen2 400MHzにアクセラレータ基本設定のMatrox Millennium G400でプレイしましたが、ノーウェイトに設定しても普通にプレイできるレベルで、ボムやボスの演出が入るとかなり処理落ちします。アクセラレータの関係で、DirectDrawの主要部分がCPUのエミュレーションになり、CPUパワーに依存するところが大きいのだと思います。700MHzは欲しいところです。

隠しキャラ

1Pモードで対戦相手に普通に出てくるので、隠しになっていないんですが、ゲームをクリアすると最大4人のキャラが追加されます。1回クリアにつき1キャラとは限らないのですが、およそ10回くらいの周回で全員出ます。

Image: かのっしゅ

かのっしゅ 感想

チャージショットにレベルの区別がないため、ゲージを気にする必要がありません。また、TSSでは横から妨害(アタック)が来るものが中々厄介ですが、かのっしゅではいずれも画面上部か下部から来るので、自分の動きに目線を集中しやすいです。このため、TSSや花映塚よりも初心者にとっつきやすいシステムになっていると思います。連爆の概念はありませんが、比較的強いチャージショットをどんどん打てるので、これを使ってアタックを一気に送り返したときは爽快です。

作風はKanonの世界観を大事にしていて、Key作品アレンジのBGMも原作のイメージを崩さず、良くできています。ただ、このほのぼのとしたCGやBGMに反して、CPU戦の5戦目あたりから激しい戦いになり、第9戦目は相当苦戦しました。難易度の上昇がキツいです。ゲームバランスが私にはキツい難易度でしたが、上記の動作環境の問題さえクリアすれば、ゲーム自体は手軽にプレイできることを意識して作られた良作です。(2021/05/09完了、No.84)

ティンクルスタースプライツ (PS4移植版)

昔のぷよぷよを想起させる魔法少女のファンタジーな世界観やキャラクターですが、説明文にしっかり漢字を使っていて、ゲーム自体は大きなお友達向けという感じがします。

Image: ティンクルスタースプライツ

めまぐるしく変わる多彩なグラフィック背景が、商用作品のパワーを感じます。

Image: ティンクルスタースプライツ

客の回転率を配慮したアケゲーならではの特徴で、展開がめまぐるしいです。長期戦になったときの敵の速さは本当にヤバい。斜め方向からの妨害アタックに対処するのが難しいです。かのっしゅの妨害は画面内を跳ね返ったりする分、横や斜めから飛んでくることはないので、後ろからの攻撃を避けさえすれば対処できます。

Image: ティンクルスタースプライツ


ここで紹介したゲームソフトは何年も前に発売されたものであり、現在は販売されていない可能性があります。私にコメントでアップロードを依頼されても返信しません。(The video game went on sale many years ago, and now it may be no longer available from the publisher. Don’t ask me to upload it.)


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