HIMEM.SYSによるエクステンドメモリのテストをスキップ [DOS]
MS-DOS起動時に表示される「HIMEM is testing extended memory」の待ちをスキップする。
MS-DOS 6.2の標準設定ではHIMEM.SYSデバイスドライバをロードする時にエクステンドメモリのテストが行われます。これをスキップするにはテキストエディタを使ってルートディレクトリにあるCONFIG.SYSを編集し、HIMEM.SYSの記述と同じ行の後ろに/TESTMEM:OFF
を加えます。
DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS /TESTMEM:OFF
というようにします。メモリテストを無効にしても特に何の影響もありません。
では、このメモリテストはどういう意図で行われるのでしょうか。次の文章はMS-DOS 6.2/Vのオンラインヘルプから抜粋しています。
HIMEM により、拡張メモリの信頼性をテストする
MS-DOS 6.2/V の HIMEM.SYS には、新しい保護機能が追加されました。コンピュータを起動するたびに、拡張メモリの信頼性がテストされます。各メモリアドレスに対してデータの読み書きを行い、データの違いをチェックすることで、メモリがテストされます。HIMEMがあるアドレスから読み出したデータと、その直前に同じアドレスへ書き出したデータの間に相違があるとき、そのアドレスに対応するメモリの信頼性は低いことになります。信頼性の低いメモリを使っていると、システム動作が不安定になったり、大切なデータが失われる原因になります。HIMEMでは、たいていのコンピュータで起動時に行われるメモリテストよりもはるかに厳密なメモリテストを行います。
信頼性の低いメモリが見つかると、次のようなメッセージが表示され、HIMEMがメモリに読み込まれません。
ERROR: HIMEM.SYS has detected unreliable extended memory at address XXXXXXXXh.
このメッセージが表示されたら、信頼できるハードウェア取扱店でメモリのチェックを行って下さい。スイッチ/TESTMEM:OFFを指定すると、メモリテストを無効にしてHIMEMをメモリに読み込めますが、専門の技術者にメモリをチェックしてもらうまでは、なるべくこのスイッチを使わないで下さい。
Windows 95/98では通常起動時にはメモリテストは行われませんが、セーフモードで起動する時はメモリテストが行われます。MS-DOS 5.0以前やPC DOSのHIMEM.SYSにはメモリテストの機能はありません。
ちなみに、MS-DOSが起動して最初に表示される「Starting MS-DOS..」の後の2秒間の待ちもスキップできます。この待ちはMS-DOS起動中にフリーズするトラブルがある場合に、このタイミングでF5キーやF8キーを押してCONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATの実行をスキップするためにあります。
「Starting MS-DOS..」をスキップするには、テキストエディターでCONFIG.SYSを開いてSWITCHES=/F
を追加します。