Image: SB AWE64 (CT4520) とPCケースのフロントオーディオ出力を接続する

Sound Blaster AWE64 (CT4520) にAC’97フロントパネルオーディオ出力を繋ぐ試み。

PCやゲーム機を何台か繋ぐため、ミキサーを使っていてもオーディオの配線を変えることが時々あって、PCケースの前面からオーディオ出力を取れるのであればそうしたい。ライン出力に延長ケーブルを繋いで背面から前面に引き回せば済むことではあるが、もっとスマートな方法はないだろうか。

Sound Blaster 16, AWE32, AWE64, Liveの一部のモデルにはカード上にMB_PROという端子があって、ここからライン出力を取り出せるらしい。MBはマザーボードの略称ではなく、Modem Blasterという同社のモデムカードと接続するための端子のようだ。無駄に古い知識があるせいか、これだけの説明でどういう役割か分かってしまう自分が憎い。

私のAWE64 (CT4520)にはMB_PROとは別にSPK/LINEという端子がある。ここからライン出力を取り出すことも可能らしい。この端子はAWE64 Goldには搭載されておらず、AWE64 ValueでもモデルCT4350には見当たらない。軽く調べてみたが、このカード以外では採用例が見つからなかった。OEMモデル限定かもしれない。

Image: SB AWE64 (CT4520)

端子のピン配列はCreativeのサイトに公開されていたが、現在はアクセスできない。下記はWeb Archiveより。

Creative Worldwide Support Solution ID: 3026 - Pin Assignment of I/O Jacks and Connectors on Sound Blaster Devices

Image: MB_PRO pinout Image: SPKLINE pinout

このカードではMB_Pro端子が基板上の文字とは逆向き(1番ピンを示す▲印を参照)になっている点に注意する必要がある。

ライン出力とスピーカー出力の違いだが、スピーカー出力端子はスピーカー駆動用のアンプICを通しており、公称では「4Ωのスピーカーに1チャンネルあたり4W、8Ωのスピーカーに1チャンネルあたり2Wの最大出力」能力がある。AWE32のマニュアルにはここにヘッドホンを接続する図が載っているが、普通のヘッドホンでは音量がでかすぎて使い物にならない。ヘッドホンや耳を痛めることになりかねないので、スピーカー出力は使わない方がいいと思う。

AC’97フロントオーディオ端子。PCケースはIN WINの5年くらい前に買ったものでそこまで古くないのだが、AC’97仕様の端子しか付いていなかった。2005年頃からHD AUDIOという規格の端子が登場しているが、PCケース側から見ればジャック接続検出用の仕様が追加されただけで、音声入出力のピンは同じ。通常、ピン配列の図はオス側を見た並びなので、メスとなるケーブル側は順番が入れ替わることに注意。

Image: SB AWE64 (CT4520)

中継には120本700円くらいで買える市販のジャンパー線を使用。

見た目は頼りないが、これで音が出るのだろうか。

Image: SB AWE64 (CT4520)

結果を言うと、MB_PROのライン出力は電話並みのスッカスカな音質だった。ディスプレイ内蔵スピーカー程度のものに繋いで聴くなら十分だが、音楽やゲームBGMのリスニングにはとても向かない。

SPK/LINE端子のライン出力はリアパネルのライン出力と同等の音質ではあるけど、こちらはリアパネルのライン出力端子にケーブルを接続していない時だけ音が出る。つまり、フロントのライン出力にケーブルを繋ぐ時はリアの端子からケーブルを外さないといけないので少し面倒くさい。

ここまでやっておいて何だが、普段はAWE64のライン出力をSC-88 Proのライン入力に繋いでMIDI音源とミックスしているので、あえてフロントのオーディオ出力を使う機会はこの先ないかも😜


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