ASUS P2Bのハードウェアリソース (IRQ, DMA, I/Oアドレス)
ASUS P2Bを使用していて、これから拡張カードを増設しようと計画している、あるいは、DOSでメモリーマネージャーの設定やリソース競合に困っている皆様はぜひ参考にしてください😃👍
以下はWindows 98のMsinfo32とP2Bのマニュアルの情報を元に作成しています。
初期構成のメモリマップ (<1MB)
アドレス | サイズ | 割り当て種別 | 説明 |
0x000000 - 0x0003FF | 1KB | RAM(使用済み) | 割り込みベクタテーブル |
0x000400 - 0x0004FF | 256B | RAM(使用済み) | BIOSデータエリア |
0x000500 - 0x09FFFF | 639KB | RAM | コンベンショナルメモリ |
0x0A0000 - 0x0BFFFF | 128KB | VGA RAM | VGA ビデオメモリ |
0x0C0000 - 0x0C7FFF | 32KB | VGA ROM | VGA BIOS |
0x0C8000 - 0x0EFFFF | 96KB | ROM(予約) | 未使用(UMBとして使用可) |
0x0F0000 - 0x0FFFFF | 64KB | MB ROM | システムBIOS |
グラフィックカードはMatrox Millennium G400 (AGPバス) の場合です。他のグラフィックカードではVGA BIOSのサイズが違うかもしれません。
P2Bはネットワークアダプターを搭載していませんが、LANカードを増設する場合はUMBとして使用できるROM予約領域(0x0C8000 - 0x0EFFFF)が減少する可能性があります。IDEカードやSCSIカードも同様です。
上記構成においてDOS上でUMBメモリーを最大限に利用したければ、CONFIG.SYSでDEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE RAM /PE000 /I=C800-EFFF
と指定して下さい。XMAからEMSメモリーと96KBのUMBメモリーを確保できます。
I/Oポートマップ
I/Oアドレス | デバイス |
000 - 0FFh | システムで使用 |
- 以下拡張アダプター - | |
170 - 177h | ハードディスクドライブコントローラー |
1F0 - 1F7h | ハードディスクドライブコントローラー |
274 - 277h | ISA プラグアンドプレイエミュレータ用I/Oデータ読み取りポート |
278 - 27Fh | パラレルプリンターポート (2) |
290 - 297h | ハードウェアモニター (BIOS) |
2F8 - 2FFh | シリアルポート (2) |
360 - 36Fh | (予約) |
376 - 376h | ハードディスクドライブコントローラー |
378 - 37Fh | パラレルプリンターポート (1) |
3B0 - 3BFh | VGA(MDA互換ポート) |
3C0 - 3CFh | VGA(EGA互換ポート) |
3D0 - 3DFh | VGA(CGA互換ポート) |
3F0 - 3F7h | フロッピーディスクコントローラー |
3F8 - 3FFh | シリアルポート (1) |
システム割り込み
IRQ番号 | 用途 | 使用可否 |
0 | システムタイマー | × |
1 | キーボード | × |
2 | スレーブへのカスケード接続 (IRQ 9) | × |
3 | シリアルポート (2)(*) | △ |
4 | シリアルポート (1)(*) | △ |
5 | (未使用) / パラレルプリンタポート (2)(*) | ○ |
6 | フロッピーディスクコントローラー(*) | △ |
7 | パラレルプリンタポート (1)(*) | △ |
8 | リアルタイムクロック | × |
9 | SCI IRQ | △ |
10 | (未使用) / シリアルポート(*) | ○ |
11 | (未使用) | ○ |
12 | PS/2マウス | △ |
13 | 数値データプロセッサー | × |
14 | ハードディスクコントローラー(IDEプライマリ) | △ |
15 | ハードディスクコントローラー(IDEセカンダリ) | △ |
(*)はBIOS設定画面 (P2Bの場合はCMOS Setup Utility) から使用するIRQを変更できるデバイスです。上記表において○のIRQは安全に使用できます。△はCMOS Setup Utilityでデバイスを無効にした場合に使用できます。P2Bを含む多くのPC/AT互換機ではプリンターポートは1つしかなく、IRQ 5は安全に使用できます。初期のSound BlasterではIRQ 7を使うようになっています(ジャンパースイッチで変更可能)。まれにIRQ 7しかサポートしていないゲームがあるようです。
Sound Blaster 16などのプラグアンドプレイをサポートしない古いISAカードを使用する場合は、CMOS Setup Utilityの「PNP AND PCI SETUP」もしくはICUやCTCUなどのプラグアンドプレイ設定ユーティリティーで事前にIRQを予約しておかないと、グラフィックカードなどのPCIデバイスに割り当てられる可能性があります。ICUやCTCUの扱いは面倒なので、BIOSで設定できるならこちらを使用しましょう。
P2Bの場合はPC起動時にDeteleキーを押してCMOS Setup Utilityに入り、PNP AND PCI SETUPを選択します。IRQ (数字) Used By ISAの中でISA用に予約したいIRQを選択して、+キーまたは-キーで設定値をNo/ICUからYesに変更します。DMAチャンネルも同様の手順で予約できます。
Escキーでメインメニューに戻り、F10キーで設定を保存して再起動します。
通常、PCIデバイスは1つのIRQを共有できますが、古いPCIカードではIRQが重複すると相性問題を起こすものがあります。その場合はここのSlot (数字) IRQのところで手動でIRQを指定してやります。他のマザーボードでこのような設定項目がない場合、PCIカードを挿す位置(スロット)を変えることがIRQを変える唯一の方法です。
DMAチャンネル
番号 | 用途 |
0 | (空き) |
1 | パラレルプリンタポート(*) |
2 | フロッピーディスクコントローラー |
3 | パラレルプリンタポート(*) |
4 | DMAコントローラー |
5 | (空き) |
6 | (空き) |
7 | (空き) |
ISAカードのSound BlasterでPCM録音・再生するにはDMAチャンネルが必要です。Sound Blaster 16, AWE 32, AWE 64では最大2つのDMAチャンネルを使用します。