DOS/Vの日本語環境はビデオメモリーの使い方が米国英語版DOSと異なるため、ビデオメモリーを直接書き換える系の海外DOSアプリケーションは日本語環境では画面が更新されず、IBM DOSならCHEV US、MS-DOSならUSコマンドで事前に英語環境へ切り替える必要がある。しかし、コンパック版MS-DOSに付属するVE386.EXE(コンパック ビデオ エンハンサ ドライバ)を使えば、この操作をせずにそのままテキストモードで動く海外DOSアプリケーションを使うことができる。コンパック版MS-DOS (MS-DOS 5.0J/V) はメモリーマネージャーにCEMMが使われているが、このVE386は普通のEMM386との組み合わせでも問題なく使えるようだ。
このツールを含むディスク『Compaq サプリメンタル プログラム』は、かつて Hewlett Packard のFTPサイトからダウンロードできたが、2026年現在は閉鎖されているようだ。10年くらい前にサルページして作成したディスクイメージ(もともとのファイルはディスクイメージ自己展開形式だった)をここに置いておく。
→ DOS Supplemental Programs Diskette 1.08J REV.A (358 KB)
ほとんどのDOSゲームはグラフィックモードで動くため効果がない。DOS/V発売当初は日本語に対応したユーティリティーソフトや通信ソフトが少なかったため、海外のDOSアプリを動かすためにこのツールが重宝したのかもしれない。今ではそういう用途で使う機会は少ないが、Sound Blasterなどの拡張カードに付属するドライバーユーティリティは英語環境でしか動かないものが多く、それらを使うときにこのツールが役に立つ。
CONFIG.SYSにVE386.EXEを組み込むとビデオメモリーが英語環境のテキストモードと同じアドレス B8000h でエミュレートされる。また、コマンドライン上でVE386 USを実行すると、半角フォントがコードページ437に置き換えられる。
Sound Blaster AWE64用英語版ドライバーのDIAGNOSEユーティリティーを起動したところ。画面解像度はDOS/Vのテキストモードである640×480のままで、英文フォントで違和感がない表示になっている。

日本語フォントのままでも罫線文字が文字化けするだけで、使う分には問題ない。
