電撃文庫 サディスティックムーン 感想
ライトノベル 電撃文庫 サディスティックムーン を読んでの感想。
(凡例)
満足度: ☆満足しなかった、☆☆まあまあ満足した、☆☆☆大満足だった
次巻への期待度: ☆あまり期待しない、☆☆少し期待する、☆☆☆かなり期待する
サディスティックムーン (電撃文庫)
かつていじめにあって孤立することを決めていた少女(幸徳秋良)が、同じく悲しい過去を抱えて孤立していた少年(久遠久)に目を付け、共同で同じ学校にいる問題児たちを常識外れの残虐な手段でとっちめるお話。あ、残虐と言ってもドロドロしたものはなく、あくまでラノベらしいコミカルな線は外していない。
序盤は幸徳秋良が久を冤罪に陥れて弱みを握り、手下に付けるシーン。これくらいは小説ではよくあるシチュエーションだろうが、問題はそこからだった。
復讐シーンはよく楽しめた。どのシーンがどうだったのかと具体的に挙げることははばかれるけれど、いずれも問題表現の連続だったことは間違いない。その一つのシーンがピンナップイラストになっているが、ラノベによくありがちな裸すれすれのイラストよりも危うくてエロい。
最後には申し訳程度にしんみりするシーンがあったけれど、そこからもうちょっと伏線を張って話を広げても良かったと思った。まあバランス配分への印象は読み手次第で大きく違うこと。もともとこの1冊で完結するつもりならこれも悪くない。
帯のキャッチフレーズに「きっとどこかから怒られそうな、ドSで淫猥な問題作、こっそり登場」とあるが、バンすれすれというレベルは通り越している。というか、性行為がないだけで官能小説そのものだ。少なくとも自分が読んできた中では一番危うい線を行くゲスな物語だった。こりゃマンガ化・アニメ化は難しいだろうなあ。
だがこのノリで続編が作れようものなら、それはぜひ読んでみたい。そのときは、趣向が変わってしまうが、幸徳秋良がヤンデレヒロインになることも期待したい。 (満足度:☆☆、期待度:☆☆)(2014/11/16)
サディスティックムーン (電撃文庫) | |
出口 きぬごし | |
KADOKAWA |