5.25インチFDDを常時読み取り専用ドライブに改造する
近々、PC98のMS-DOSでフォーマットされた5インチフロッピーのデータを吸い出す必要があるのだが、肝心のPC98がもう手元にはない。Win98機には5 1⁄4 インチFDDを組み込んであるが、こうなることを見越していた訳ではなく、まだ98フォーマットが読めるかどうか試したことがない。Windowsでは非標準フォーマットのFDにアクセスすると、そのディスクが以後読み取り不能になる場合があると聞く。その5 1⁄4 インチFDD自体も使用するのは数年ぶりなので、これを分解清掃するついでに読み取り専用ドライブへ改造することにした。
使用するFDDは日電のFD1155D。取り出してみて改めて思ったのだが、結構重くてごつい。このFD1155DはPC-9801VX前期モデルからパーツ取りしたものだったと思う。後の9801RXにもFD1155Dが搭載されているが、そちらに比べると作りがより複雑でごちゃごちゃしている。元に戻すのが難しそうなので、あまり深く触りたくない(特に0トラック検出やインデックスホール検出センサーは触りたくない)。
5 1⁄4 インチFDDの簡易清掃
まずは分解せずに上から掃除機で埃を吸い上げようとしたが、表面はある程度綺麗になるものの、中に入り込んだ埃や付着している塵を除くのは難しい。
ディスク挿入面を掃除するためにフロントベゼルを取り外す。ベゼルを外すには、まずイジェクトレバーを外しておく必要がある。RXのFD1155Dでは単に差し込んであるだけだったと思うが、こちらは六角のイモネジで固定してあるので、これを緩めておく。イジェクトレバーを外したら、裏面のベゼルを固定しているビス2箇所を外す。
基板の3箇所のビスと手前の黒いコネクターを外せば、ドライブ内部が最初よりは見やすい状態になる。といってもまだ挿入面は上からだと全然見えていないのだが、これ以上分解するのは大変そうだ。分解はこれくらいにしておいて、エアダスターで中の埃を吹き飛ばす。割り箸や綿棒などを使って拭き取れる範囲の塵を拭き取る。
ライトプロテクト(書き込み禁止)を常時セットする
5インチフロッピーを書き込み禁止にするには、挿入面から見て左手前の切り込み部分に銀色か黒色の「ライトプロテクトシール」を貼ることになっている。このシールは新品で売られていない今となっては有限のものなので、あまり使いたくない。ディスクが複数枚あると、貼る作業も手間になる。そもそも中古のディスクでは、シールが律儀に付いてくるとも限らない。
ライトプロテクトをどう検出しているかというと、ドライブ側ではこの切り込み部分の上下に赤外線発光器と受光器が対で付いていて、赤外線が通ればライトプロテクト無し、通らなければライトプロテクト有りとしている。
このFDDの基板を見ると、ちょうどライトプロテクトシールが来る位置にセンサーと思われる黒い部品があり、その裏には無色半透明のパーツがある。これはいわゆるライトガイド(導光棒)というものだろうか。
これを食品などの商品の包装で使われている黒いフィルムで覆い隠しておく。フィルムが非導電性であることは確認済み。改造と言いながら、たったこれだけのこと。
これで書き込み禁止になったかどうか、AT互換機の生DOS上でPC98 MS-DOS形式のフォーマットができるツール FDU を使ってみる。
ライトプロテクトが検出されたことを確認できた。ただ、同じFD1155Dでも後期のロットでは構造が異なるので、この通りにはいかないかもしれない。
ところで、PC98のMS-DOSでフォーマットされたフロッピーディスクがWindows 98で読めるかどうか調べてみると、5インチについては特殊なドライバが必要という意見もあれば、特別な処理無しに読めるという意見もある。ただ、そもそもAT互換機で5インチFDDを使うユーザーが少ないのか、Windows 98が古すぎて情報が消失しているのか、言づてや回想話が多く、実証したという確固たる情報が無い(3.5インチFDに関しては情報が多く、当サイトでも既出のこと)。そのうち改めて調べてみたい。