Image: スーパーマリオブラザーズの半透明演出とインターレース解除

ブラウン管時代のテレビゲームって、コンポジット映像信号をスキャンコンバータやキャプチャー機器でデジタルに変換したところで、液晶ディスプレイでは再現できない表現がある。眩い色味やにじみなんかはそう。FF初期作のドット絵を描いた渋谷さんが、FFピクセルリマスターの制作にあたって液晶画面用に色を調整したという話をしていたことを覚えている。

スーパーマリオブラザーズにはインターレース表示の特性を使った半透明演出がある。スーパーマリオの状態で敵に当たると、マリオへ変化するとともに数秒間の無敵時間がある。その間、スーパーマリオとマリオが高速で入れ替わって半透明に表示される。

エフェクトを掛けずにキャプチャーすると下のようになる。ファミコンの映像信号はインターレース表示なので、マリオのグラフィックを1フレームおきに点滅させると、奇数または偶数のラインだけ表示される。

Image: Super Mario Bros

高精細な液晶ディスプレイでは黒いラインがはっきり見えるが、これでも半透明のイメージは掴める。アナログテレビのような粗さとにじみでは、ここまではっきり黒線が見えないだろうから、もっと自然な半透明に見えると予想できる。

インターレースのソース映像をプログレッシブな液晶ディスプレイにそのまま表示すると、動画の輪郭に上のような横縞模様が表れてしまうため、通常はインターレース解除(デインターレース)のエフェクトを掛ける。このインターレース解除の設定によって半透明の見え方が変わることがあるので厄介だ。

次はOBSの映像キャプチャソースに対してインターレース解除(blend)を設定した時のスクリーンショット。左のような透け具合が半透明として理想的だが、コンポジット映像信号の特性とタイミングによるのか、右のようにモノクロの半透明が掛かることがある。

Image: Super Mario Bros Image: Super Mario Bros

(Nintendo Online) Switch移植版では1フレームおきの完全な点滅で表示される。ソースのまま60fpsならちらついて半透明に見えるのだが、30fpsに間引くと画面上は常に表示されるか、常に消えるかの、どちらかになる。

Image: Super Mario Bros Image: Super Mario Bros

こうして見るとSwitch移植の再現度は高い。私の実機キャプチャより縦方向にわずかに引き延ばされているが、正方形ピクセルではなく(設定で正方形ピクセルにも変更可)、誤差の範囲内なのだろう。点滅は配信者にとってはちょっと困る問題かもしれないが。


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