191222 VN『てんぷれっ!!』(2018年)感想
ビジュアルノベル『てんぷれっ!!』(Circus / 2018年)の感想。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。
CircusはD.C.シリーズ以外もたまに完全新作を出しているけども、D.C.シリーズのイメージが強すぎて、それ以外がぱっと思い浮かばない。営業もD.C.シリーズの派生作品と再録版のリリースが続いているので、そちらに傾いてしまう。単発で出すなら、別ブランドを立てるか、某メーカーみたいに毎回ブランドを立ち上げた方がいいのでは。
感想
パッケージ
箱の形は一般的な形式のものだが、縦横が平均より小さなサイズになっている。ディスクはゲームデータがDVD1枚とOSTが1枚。ビジュアルブックレットが付属。こちらはキャラクター紹介とゲーム中のCGの一部を抜粋して、製作者のコメントと一緒に載せているもの。小さなおまけではあるが、これを読むとスタッフがどういう意図でデザイン・制作したのか分かるので、作品をより深く知りたい人にとっては嬉しい。
認証はディスク認証またはインターネット認証。
シナリオ
「エロゲーのテンプレを再現」が作品の題材なのだが、それを強く意識させる展開は序盤だけで、基本的に小難しいことを考えずスラスラ読める。ストーリーのクライマックスは中盤の告白シーンだが、見どころは個別シーンに入ってからのいちゃラブ全てだろう。そこが見どころというか、楽しむべきポイントであり、いちゃラブが好きじゃないのならプレイすべきじゃない。逆に共通ルートは、飛ばし読みこそしなかったが若干退屈だった。
不満というか気になったところと言うか、「テンプレ」については後付けの設定だったんじゃないかと言うほど、表だって出てこない。まあ、深く考えずに楽しめるところが良い点だろうけど。
グラフィック
画面解像度はHD (1280x720)。CG枚数は73枚。CG回想に出てこないが、SD絵も何枚かある。
D.C.4と同じ制作陣が作っていると思われるが、あちらのCGが結構気に入っていたので、同じ作画スタイルで別作品のCG(Hシーン含む)を見られることが楽しみだった。そして、実際のところ期待以上だった。
技術・技法が優れているとか特徴が有るという訳では無いのだが、ヒロインの仕草や表情から感情の動きとその場の雰囲気が伝わってきて、没入感あるCGと言うべきか。特に星七の告白シーンでの返答を待つ不安そうな表情は、思わず心がぎゅっと絞られた気分になった。
背景については、星空の描き込みは頑張っている方だが、全体的には簡素なものが多い。まあでも、そんなことは可愛いキャラクターの前ではどうでも良くなる。16:9という難しい画面比の中、上から下からと画角を変えて、キャラクターを大きく見せようという意思が伝わってくる。可愛く見せられれば勝ちという所か。
未依ルートは未プレイだが、詩央、星七、凜音についてはHシーンも含めて概ね満足。未依ファンには申し訳ない。もしファンディスクが出たら、たぶん買うと思う。
システム
システムはクイックセーブ1個、オートセーブ1個、セーブスロット10個×10ページ、セーブスロットの削除等操作は不可、バックログジャンプ可(ロード・スキップした箇所も使用可)。既読スキップが全てスキップされるバグあり。Hシーン以外も含む全てのシーンを回想可能な点は、Circusの伝統か?(2019/12/21完了、No.67)