Sound Blaster AWE 32(PnP), AWE 64をDOSで使う方法は既に下の記事で紹介している通り。
→ Sound Blaster 16/32/64(ISA)のDOS/Win3.1用ドライバーをインストール
この正規の方法はフロッピーディスク1枚に収まらない大きなサイズのドライバーファイルを持ってきてインストールしなければならず、CTCMでのリソース設定も含めて、非常にだるい。同じことを考えた海外DOSユーザーが、Sound Blasterのみならず様々なDOS時代のサウンドカードに対応したドライバーを開発し、2020年にフリーウェアとして公開した。
→ UNISOUND - Universal ISA PnP Sound Card Driver for DOS v0.81b \ VOGONS
Windows 3.1で使うには後述の問題があるが、DOSゲームだけであれば、この私家ドライバーを使った方が賢い。
使用方法
DOSがあるドライブにファイルを持ってきて(例えば、C:\UNISOUNDディレクトリーに配置する)、AUTOEXEC.BATに次の1行を追加するだけ。
C:\UNISOUND\UNISOUND.COM
ただし、UNISOUNDはリソースの競合をチェックしないし、一部のDOSゲームなどが参照するBLASTER環境変数をセットしないので、これは自分で行う必要がある。SB AWE 64がデフォルトで使用するリソースは、次の1行をUNISOUNDの実行前に追加した場合と同じ。
SET BLASTER=A220 I5 D1 H1 P330 E620 J200 F388
空きリソースを探す方法は次の記事で紹介済み。
→ IRQ(ハードウェア割り込み)とDMAチャンネルの空きを探す方法 [DOS/Win9x]
UNISOUNDを使うことの最大のメリットは、サウンドカードの種類にかかわらず同じドライバーと設定の記述を使い回せることにある。特にSBとGUS (Gravis Ultra Soundという、一部の海外DOSユーザー垂涎もののサウンドカード)を使い分ける等、違うメーカーのサウンドカードを入れ替わりに使うようなニッチな使用方法には打って付けだろう。
Creative標準ドライバーを差し替える場合
UNISOUNDはCreative標準ドライバーのCTCM、DIAGNOSE、AWEUTIL、MIXERSETが行う初期化処理をひとまとめに行っているだけなので、CONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATからこれらの実行コマンドを削除すればいい。
CONFIG.SYSから次の行を削除する。
DEVICE=C:\CTCM\CTCM.EXE
AUTOEXEC.BATから次の行を削除する。
C:\SB16\DIAGNOSE /S
C:\SB16\MIXERSET /P /Q
C:\SB16\AWEUTIL /S
Windows 3.1を使用する場合、リソース設定の変更は自動では反映されないことに注意する必要がある。
Creative標準ドライバーの場合、CTCMで検出されたリソース設定はC:\CTCM\CTPNP.CFGに保存され、DIAGNOSEが実行されたときにこのデータを参照して、WindowsのSYSTEM.INIに記録されているリソース情報が更新される。SYSTEM.INIには次のように記録されている。
[sndblst.drv]
Port=220
MidiPort=300
AwePort=620
Int=10
DmaChannel=0
HDmaCHannel=5
DisableMidiPort=0
PnpFlag=1
…以下省略
これを手動で書き換える手間が増えることを考えると、わざわざUNISOUNDを使うメリットはあまりないと思う。あくまでDOS環境限定で考えた方が良いだろう。