210816 ゼロの使い魔 (15)(16) 感想
8月も後半に差し掛かろうってのにこうも曇りが続くと、季節感が狂いますね。Summer PocketのREFLECTION BLUE追加ルートの残りをぼちぼち進めているんだけども、8月というのにどうも季節感が一致しない。
15巻巻末の発行年月日を見たら2008年9月30日だって。西暦でいわれてもピンとこないが、13年前というとそんなに前なのかと思う。13年経てば当時の小学生は大学生か社会人になってますからね。
ゼロの使い魔 (15) 感想
ジョゼフ王はともかく、シリーズ初期から黒幕であり対峙してきたミョズニトニルンの最期が、こうもあっけないとは。いやまあ、最期の舞台は整っていたんだけど、展開が速かったのと才人との対決は一瞬で終わったので、ミョズニトニルンが消えたという実感がない。終わりの描写が「爆発の光に包まれて消えた」みたいな感じなので、実は生き残っているんじゃないか。禁書目録基準なら、体の骨が灰になるまで焼き尽くされても謎技術で復活するしな。仮に死んだとすれば使い魔ミョズニトニルンの能力は他の人に移るらしいが、ここまで次なる候補の伏線は見えてないし、先の展開が読めないな。
ガリアは国王以外はまともだったが、ロマリアの情報網は恐ろしい。ガリア王の過去を知っていたからあそこで心理戦に持ち込む賭けに出たんだろうが、王の側近ですら知り得ない過去をロマリア側は知っていたんじゃないかと思うくらいの恐ろしさがある。ロマリア、というよりジュリオの底知れ無さは前々から現れていたが、今作ではいかに諜報に長けていて、それを心理戦に持ち込むのが上手いことか明らかになった。いつしか才人がジュリオと本当の意味で対峙する日が来るだろうか。
ピンナップは才人とタバサが肩を寄せて座っている図。才人の顔はタバサへ向いていないが、タバサの表情は恋する乙女そのもの。才人とルイズのコンビはまだ波乱が続きそうだ。(満足度: 2⁄3, 期待度: 2⁄3)(2021/08/15)
ゼロの使い魔 (16) 感想
久々に才人の第2ヒロイン、シエスタが登場。ルイズのメイドといってもロマリア編になってから全く登場しなかったし、その間に才人の目は完全にルイズに向いていたので、シエスタが今どういう立ち位置なのか気になっていた。
ピンナップの表は新しい住居の見学に向かう途上で話し合う才人とルイズ、それを後ろから付いて見守るシエスタの図。平和な1日の切り抜きで、まさに今の関係を表していて微笑ましい。
問題は裏面だ。ルイズの他にシエスタ、アンリエッタ、タバサの3人のヒロイン(今でもヒロインと言っていいか分からないが)に囲まれる才人の図。いずれとも才人とかつて「一悶着」があり、今でも少なからず好意を持っている。過去の巻にも似たような図はあったかもしれないが、今回才人に抱きついているのはルイズだけで、ルイズは怒っているわけでなく楽しそうというか、誇らしげなように見える。才人当人は困惑というより、何が起こっているのか実感してなさそうだ。過去の関係を知ってて見てみると、このイラストはどこか奇妙だ。ヒロインたちはただ寄り添っているように見えるが、その中心には才人がいる。2人の女王、アンリエッタもタバサも才人の方を見ていないが、ルイズとしては内心穏やかじゃないに違いない。
それで実際の所、予期していたとおり才人は意図せずアンリエッタと密会してしまい、それを一部始終どころかバッチリ見ていたルイズに逃げられるわけだけど。概略だけ聞けば同じこと何回繰り返すんだと思うが、今回は才人とルイズがそれぞれ冷静さを欠いている中でいかに考えて行動した結果なのかが、克明に書かれている。感傷的な行動だった以前と違って、アンリエッタの気持ちを知った上でねだられたら、才人も一人の男だから迷ってしまうし、ルイズは自己評価が低いものの才人の境遇を配慮しての行動だった。まあその後のことを考える余裕もないまま、危機は突然やってくるわけだが、こう立て続けに何かが起きると、タバサの件のようにロマリアの陰謀なんじゃないかと勘ぐってしまう。トリステイン内にすらアンリエッタにも才人にも反抗勢力がいる中では、あまりに恰好なスキャンダルだ。
まあ周りを考えなければ、両方取るのが3人にとって幸せだと思うが、この世界ではそれぞれの立場が許さないだろう。
後書きはイミフだった。この作者狂ってるわ!(今さら感)(満足度: 3⁄3, 期待度: 2⁄3)(2021/08/16)