ゼロの使い魔 (18) 感想

本巻から裏表紙あらすじ書きの背景が緑から白に切り替わっている。カバーを外した表紙も黄緑から白基調へ。出版社はまだKADOKAWAに統合される前のメディアファクトリー。18巻が発売されたのが2010年。そんな昔のことのように思えない。思いたくないが、それでも11年という期間は長い、か。

冒頭見開き3ページのイラストは、サイトに女性らしい色気を見せるルイズ、舞踏会で踊るジュリオとジョゼット、キャラクター紹介。純真無垢に恋しているジョゼットを騙していると思うと、ジュリオの凜々しく踊る姿を見るのは、ロマリアの裏の顔を知っているとなんとも気分が悪い。だからジョゼットのことを気の毒だと思っていたのだが…まさか自覚の上でのことだったとは。返ってこういう子の方がジュリオを正気にさせるのかもしれないね。

サブタイトルの「滅亡の精霊石」ってこれまでの物語とは一線を画す物騒な響きだが、実際誰にも予想できない急展開だった。唐突にも程がある。まあでも、クライマックスで世界の危機はお約束だから、このシリーズの終わりが近づいている予感はする。

才人とルイズの関係は、互いが本当に心の底で思ったことを打ち明けられるようになったということで終着を見た。現状、ハーレムというほど他のヒロインとの関係は深くないだろうが、ハーレムになろうがなるまいが、才人とルイズの関係が揺るぎないことは今回の再会で明らかになっただろう。作者はかつての後書きに、ルイズは当初の構想ではあくまで導き役に過ぎなかったと書いていたが、確かに才人とルイズが互いにそこまで惚れ込むとは思わなかった。(満足度: 23, 期待度: 23)(2021/08/21)

ゼロの使い魔 (19) 感想

表紙は16巻に引き続きツンツンになっているルイズ。才人はいないがのしかかって前のめりな姿勢になっている。背景に草原が見えるので、ルイズは地べたに座っていることになるが、どういう状況?

どう見ても物語の重要な鍵を握っていそうなティファニアが、当初から色気担当、というよりラブコメ担当だったのが、ここへ来てようやく重要人物となりそう。ティファニアの身体に関する表現がいつ時も饒舌になるのは何なん?(笑)

才人たちはロマリアへ行ってガリアへ行って、トリステインに戻ってきたと思ったら、今度は聖地へ。展開的にこの巻で往復しそうな勢いだったけど、まさかそこに留まることになろうとは。しかも、敵地での絶体絶命の窮地を救ったのは、ティファニアの胸革命【バストレボリューション】だった。ここまで清々しいラブコメ展開久しぶりだわ。って、そういえばこのシリーズ、ラブコメがメインだったわ。(満足度: 23, 期待度: 23)(2021/08/22)

ゼロの使い魔 (20) 感想

表紙にルイズ以外のヒロインが出てくるのは12巻以来で久しぶり。

ハルケギニアの聖地から離れた場所で戦闘機や戦車が見つかるくらいだから、いつかミサイルくらいは来ると思っていたが、まさか人類史上最悪の兵器が出てくるとは思わなかった。ファンタジー世界の異物もここまでのものになると、何か予想だにしない悲劇が起きるんじゃないかとハラハラする。

聖地の世界観良いですね。中世の西洋を基調としたハルケギニアとはまた異なる、アラブ世界のイメージ。だがその文明は現世のものとはかけ離れている。スターウォーズにあるような、砂漠の中の近未来的な都市を勝手に想像しています。いよいよ冒険っぽくなってきた。

未だティファニアに縁のある人物が出てこないが、ティファニアの使い魔は誰になるんだろう。才人くらいしかいないが、既に才人はルイズの使い魔だし、まさか二重契約なんてあるのか、とは思っていたが、それが本当になってしまうとは。ティファニアだけは才人の側近でありながらくっつきそうになかったのに、残り2巻というところでハーレムが出来上がりつつある。ルイズは才人一直線で奪還するのに必死だというのに、才人の方ときたら…アニメ2期の最終話だったか。ルイズが才人の元に駆けつけたとき、才人はティファニアと抱き合っていて、ルイズが怒り心頭に。そんな光景が思い浮かぶ。(満足度: 23, 期待度: 33)(2021/08/22)


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