SB AWE64が使用するDOSドライバーと環境変数
AEではなくAWE。いにしえのサウンドカードの話です。過去にいくつか同類の記事を書いているけども、見た感じ需要なさそうなので。実質もう個人的なメモ。
CONFIG.SYSに記述するドライバー
DEVICE=C:\SB16\CTCM.EXE
DEVICE=C:\SB16\CTSB16.SYS /UNIT=0 /BLASTER=A:220 I:10 D:0 H:5
DEVICE=C:\SB16\CTMMSYS.SYS
- CTCM.EXE - PnPコンフィグレーションマネージャー (PnPカードでは必須)
- CTSB16.SYS - SBマルチメディア物理レベルデバイスドライバー (オプション)
- CTMMSYS.SYS - SBマルチメディア統合デバイスドライバー (オプション)
CTCM.EXE
SBのプラグアンドプレイデバイスを初期化するドライバーで、これを実行しないと後に実行するドライバーがデバイスを認識しない。SB16などの非PnPカードでは不要。
CTMMSYS.SYS, CTSB16.SYS
一部のアプリケーションで使用されるライブラリか?DOSゲームでの使用例は少ないらしい。SB16では付属アプリケーションのPLAY.EXE (Play Utility) などで使用されるため、セットアップ時に自動でCONFIG.SYSに追加される。AWE32/64では標準では省略され、DIAGNOSE /Aを実行することで追加することができる。メモリ使用量数KBが命取りのDOSでは、不要なものは入れたくない。
AUTOEXEC.BATに記述するドライバー
DIAGNOSE /S
AWEUTIL /S
MIXERSET /P /Q
CTCU /S /W=C:\WINDOWS
- DIAGNOSE - 診断プログラム
- AWEUTIL - AWEコンフィグレーションユーティリティ
- MIXERSET - ミキサーコントローラ
- CTCU - プラグアンドプレイコンフィグレーションユーティリティ
DIAGNOSE /S
CTCMの結果を基にBLASTER環境変数 (後述) をセットする。
AWEUTIL /S
AWE32/64内蔵のFM/MIDIシンセを初期化する。これを実行しないとMIDIシンセだけでなくFM音源 (OPL3相当) も鳴らず、DOSゲームで音が出ない。SB16では不要。
MIDIエミュレーションを使用する場合など、その他オプションは下記参照。
→DOSからSB AWE64のFMシンセを有効にするAWEUTIL - Diary on wind
MIXERSET /P /Q
ミキサー回路の音量を設定ファイルの通りにセットする。PCリセット時は音量が絞られているため、これを実行しないと音が聞こえない。なお、SB16のドライバーディスクではSB16SET.EXEというファイル名だった。
CTCU /S
CTCMの結果を基にリソースの設定をWindows 3.1の設定ファイル (SYSTEM.INI) に反映する。Windows 3.1を使用せず専らDOSのみでの使用であれば不要。
環境変数
セットアップによってAUTOEXEC.BATに以下のようにセットされる。なお、PC環境によって使用リソースが異なるため、BLASTER変数の内容はこれと異なる場合がある。
SET SOUND=C:\SB16
SET BLATER=A220 I10 D0 H5 P300 E620 T6
SET MIDI=SYNTH:1 MAP:E MODE:0
SOUND
ドライバーのインストール先パスを指定する。既定ではC:\SB16になる。この環境変数は様々なドライバーから参照される。
BLASTER
DIAGNOSEプログラムによって自動で設定される。アプリケーションがこの値を読み取り、カードのリソースや機能を判別している。
意味は以下の通り。
BLASTER=Axxx Ix Dx Hx Pxxx Exxx Tx
パラメータ A : ベースI/Oアドレス
I : IRQレベル
D : 8ビットDMAチャネル
H : 16ビットDMAチャネル
P : MIDIポート・ベースI/Oアドレス
E : Advanced WavEffects・ベースI/Oアドレス
T : 1 = Sound Blaster
2 = Sound Blaster 1.5
3 = Sound Blaster 2
4 = Sound Blaster Pro
5 = Sound Blaster Pro + FMシンセ
6 = Sound Blaster 16以降
MIDI
MIDIチャンネルのマップや出力先をセットする。SB16付属アプリケーションのPLAY.EXEで使用されるようだが、それ以外では活用されている様子はない。
意味は以下の通り。
MIDI=SYNTH:x MAP:x MODE:x
パラメータ SYNTH : 1 = 内蔵シンセを指定
2 = 外部MIDIポートを指定
MAP : G = General MIDI マップを指定
E = Extended MIDI マップを指定
B = Basic MIDI マップを指定
MODE : 0 = General MIDI (GM) モードを指定
1 = General Standard (GS) モードを指定
2 = MT-32モードを指定