最古の実動するコンピューター WITCH
写真はFile:Harwell-dekatron-witch-computer-under-resotoration-2010-03-13.jpg - Wikimedia Commonsより。
私が今まで動画で見た初期のコンピューターにはイギリス・中央郵便本局研究所のColossus(再現機)や日本・富士通のFACOM 128Bがあったが、WITCHのことは知らなかった。イギリスの国立コンピュータ博物館に設置されているWITCH(あるいはハーウェル・デカトロンとも)は、2012年の修復完了によって動作するようになってから「世界最古の稼働中のデジタルコンピューター」となった。
→ The reboot of the Harwell Dekatron / WITCH computer, the world’s oldest working computer - YouTube
まず一目で見て目立つのは、中央右にあるステップ・バイ・ステップ交換機だ。そして実動動画で特徴的な輝きを放つのがデカトロン管。日本では1960年代でも1個十数万円したとか。真空管やリレーも多数使われている。この時代において作業内容を視覚化できるというのは一つの意味があったのだろう。
上の動画では前半で開発者が当時の状況を語っている。データやプログラムの保持方法を作り出すのに苦労したようだ。このマシンでの方程式の計算速度は人力で機械式計算機を使うより少し速い程度だが、人と違って休憩することなく計算を続けることができる。
2014年のColossusのデモンストレーションも秀逸で、ドイツからの暗号がどのようにColossusへ送られて解読されたかを実演しながら説明している。